高校2年生になった。が、別に大きな変化があったわけではない。 私はと言えば、部活も辞めて、華麗なる“帰宅部”へジョブチェンジ。勉強に燃えるわけでもなく、もちろん恋に燃えるでもなく、「何やってんだ私…」と、毎日家に直帰する謎の青春真っ只中。 ただ一つの救いは、いっちゃんとまた同じクラスになれたこと。しかし担任は変わった。その名もタキグチ先生。古文の先生で、白髪交じり、年齢不詳。どっしりしていて、淡々と語るような話し方眼鏡の奥から「全部見えてるよ」みたいな目線を送ってくる。 正直ちょっと怖い。でも、なんだか頼りがいがあって…不思議と「この先生でよかった」と思ったのを覚えている。私は…と言えばなぜか…