第7節の開始です。 さて相馬御風は、早稲田大学の校歌や、春よこいを作詞した文人です。 糸魚川に帰郷して地域のため、人のための活躍が始まります。 地味ですが、謙虚で多彩なヒーローなのです。(いつか記述します。) さあ、いよいよ一家で糸魚川へ帰還します。 1 いつもの内容コーナー 北国の淋しい海岸町の、焼け跡に建てられた小さな自分の家への移転は、私達一家族には殆どそれが何のためになされた事であるか解らぬほどに、突然な事件であった。けれども、この殆ど予期しなかった事件は、私達一家の者に少なからぬ幸福を与えた。「遠からず死ぬかもしれない」というような事を時々口にしていた老父は、帰郷後の一二週間で見違え…