後宮という場所がもたらす人間関係 本巻のテーマは、母と娘の愛情の薄い関係性であったのかなと思います。そしてこのテーマは次の巻にも影響を及ぼします。本作の主人公:桃花も生家の両親との関係が、良好ではありませんでしたから、後宮だけに限った話ではないのですが、後宮にいるとまた、通常とは違った関係性になるのかもしれません。誰もかれもが、まずは自分の身を案じてしまうのでしょう。次に血が繋がっている者のことを考える。この場合、必ずしも案じるとは限りません。そして打算的な感情が混ざることも確かです。心のどこかで多少の愛情はあるのかもしれませんが、、、自分の身を護るために、血の繋がりがどう役立つのかを考え、そ…