経済学を批判しよう 最初にこの記事で何をしたいのかを書いておこう。 私のやりたいことは、既存の経済学の批判だ。 経済学と言ってもいろいろあるが、私が批判したいのはアダム・スミスが国富論を書くことによって始まった経済学だ。 スミスが創始した経済学のことを、ここではスミス経済学と呼ぶことにする。 スミス経済学は後に続く大勢の経済学者たちによって様々な発展を遂げているが、その正当な後継者は新古典派と呼ばれる学派だと言って良い。 スミス経済学は進化し今では新古典派と名乗っているが、その中核にある教義は変わっていない。*1 その教義とは、各人が私的な利益を追求すれば社会全体の利益が達成されるというものだ…