社会派ぶりたい脚本がリアル欠乏症。そこをテンポで乗り切るエンタメ作品|映画『悪い夏』レビュー サスペンス?ミステリー?社会派を気取った奇想天外メンターテインメント! 『悪い夏』は、生活保護を巡るトラブルに巻き込まれた公務員が主人公の社会派サスペンス。リアリティの欠如や脚本の粗さはあるものの、怒涛の展開とテンポの良さで最後まで引き込まれる作品に仕上がっている。 主人公・佐々木(北村匠海)は、市役所の生活福祉課に勤務するケースワーカー。生活保護受給者とのトラブルを解決しようと動く中、自らも混沌の渦に呑まれていく——。 ある日、佐々木は「同僚が生活保護受給者のシングルマザーに肉体関係を迫っているらし…