今回もいい映画を見せてもらった。7月5日、西東京シネマ俱楽部が保谷こもれびホールで開いた上映会の『侍タイムスリッパ―』だ。 幕末、剣を交えていた会津藩士が落雷に襲われ、140年後の現代の時代劇撮影所にタイムスリップしてからの物語。 武士であっても「斬(き)られ役」は難しい。そんなサバイバル劇かと思って観(み)ていたが、武士の意地や真剣勝負の意味を考えさせる展開が待っていた。 作品の評価はすでに論じられていることだろう。市川右太衛門や中村錦之助らが演じる東映時代劇に胸を躍らせ、星新一の描く未来世界にどっぷりとつかった身から、大雑把な感想を少しく記しておきたい。 一つは、マンネリと言われようと勧善…