~介護士として感じる、日常のなかの静かな葛藤~ 老人ホームという場所は、「安全に暮らせる場所」であり、「安心できる生活の場」であるべきです。 けれど、そこで過ごす日々があまりにも単調で、自分の存在意義を見失いそうになるほど退屈だったとしたら──? その退屈さは、ときに他者への“監視”というかたちであらわれることがあります。 私は介護士として、ある老人ホームで働いています。ここで暮らす高齢者の方々は、見守りや介助を必要とする一方で、それぞれに豊かな人生経験を持ち、自分なりの価値観や誇りをもっておられます。 けれど、日常があまりに変化に乏しく、することが限られてくると、人は「他人の行動」に敏感にな…