訓読 >>> 861松浦川(まつらがは)川の瀬(せ)速(はや)み紅(くれなゐ)の裳(も)の裾(すそ)濡れて鮎か釣るらむ 862人(ひと)皆(みな)の見らむ松浦(まつら)の玉島を見ずてや我(わ)れは恋ひつつ居(を)らむ 863松浦川(まつらがは)玉島の浦に若鮎(わかゆ)釣る妹(いも)らを見らむ人のともしさ 要旨 >>> 〈861〉松浦川の川瀬の流れが速いので、娘たちは紅の裳裾を濡らしながら、今ごろ鮎を釣っていることだろう。 〈862〉だれもが皆見ているであろう松浦の玉島なのに、一人見ることもかなわず、私はこんなにも恋し続けていなければならないのか。 〈863〉松浦川の玉島の岸で若鮎釣っている娘た…