教育と研究に携わる日々の中で、論文の校閲作業には長年 difff《デュフフ》を愛用してきた。テキストをコピーして貼り付けるだけで差分が一目でわかる、シンプルで便利なツールだ。 ただ、ずっと困っていることが一つあった。 difff への不満——書式の変化が見えない 書式の変化が検出できないという点だ。 論文では書式が意味を持つ。学名(例えば Arabidopsis thaliana)は斜体で書くのが国際的な慣習だし、化学式の CO₂ の「2」は下付き文字でなければならない。引用文献の番号は上付き。 共同研究者から返ってきた修正原稿で「斜体が抜けた」「下付きが通常文字になった」という変化を、テキス…