梵語

今日、１通の手紙が届きました。賀状をお送りしたのですが、返信がなくて、心配していた方からでした。 会社勤めのころ、商品の展示会(当時は、東京では、銀座から勝鬨橋を渡った先の晴海が、ビッグイベントの会場でした)のブースのデザインをお願いした会社の社長さんでした。４０年来のお付き合いです。 たぶん、米寿のお歳？かな～ なんと、写経(しゃきょう)３作と、李白・孟浩然の詩の書の写真が添付されていました。お元気過ぎるので、安堵した次第です。 その中の写経はいずれも、縦横１ｍほど。 そのひとつ・・・ 一糸乱れず書かれていて、ほとほと感心した次第です。 ご存じの方も、いらっしゃるかと思いますが、梵字(ぼんじ…

【般若とは？】 『般若』とは何でしょうか？ 広辞苑に、こう書いてあります。 「（梵語prajnaの俗語形pannaの音写語。智慧・慧と訳す） 真理を認識し、悟りを開くはたらき。 最高の智慧。仏智。三学・六波羅蜜の一。」 大辞林には、こう書いてあります。 「人間が真実の生命に目覚めた時にあらわれる、根源的な叡智。世界の窮極的真理を知ること。」 新明解国語辞典には、こう書いてあります。 「迷いを離れ、事物の真相を見抜く本当の知恵。」 明鏡国語辞典には、こう書いてあります。 「分別・対立を越えて真理を悟る知恵。」 ブリタニカ国際大百科事典には、こう書いてあります。 「仏教用語で『智慧』の意。 般若の…

〇法蔵菩薩（ダルマーカラ）の誓願 『浄土三部経』は『仏説無量寿経：大無量寿経（大経）』『仏説観無量寿経：観無量寿経（観経）』『仏説阿弥陀経：阿弥陀経（小経）』の三経典であり、いずれも阿弥陀如来（梵語でアミターバまたはアミターユス）と極楽浄土（幸あるところという仏国土）について説かれています。阿弥陀如来の別名は無量寿仏または無量光仏であり、無量光（アミターバ）とは限りなき光を意味します。既に過去の記事で何度も記載していますが、阿弥陀如来（無量寿仏）の前身である法蔵菩薩（ダルマーカラ）は師である世自在王如来（ローケーシヴァラ･ラージャ：シヴァ神がモデル？）のもとで本願を立てます。法蔵菩薩が本願を立…

米津玄師さんの曲を聴いていると、「今なんて言ったんですか？」といつも頭おかしくなってしまうので、曲名や歌詞に出てくる意味が分からない単語を全部調べて一覧にしました。 ETA/ETA…Estimated Time of Arrival（到着予定時刻） JAF/とまれみよ…日本自動車連盟 KICK BACK/KICK BACK…チェーンソーの刃が障害物に当たり跳ね返る現象 LENS FLARE/LENS FLARE…レンズやボディのなかで光が反射することで、画面にカブやムラが出る現象 M八七/M八七…ウルトラ戦士の草案段階の故郷がM87星雲 PJハーヴェイ/マルゲリータ…ポリー・ジャン・ハーヴェイ…

１１月の３連休、大津市歴史博物館へ再び行く。前期の後半で玉篇のお披露目があった。 前回、訪れた１０月下旬は衆院選の真っ最中で、まだ少し暑かった。季節は進み過ごしやすい気温であった。連休とあって歴博は子供連れが多かった。ただ、石山寺展は大人が多かった。みなさん熱心に展示物を見ており、メモを熱心に取りながらじっくり観察していた人が複数目撃された。 今回の目当ては玉篇だが、前期と後期で入れ替わるものを含めてじっくり見ていく。そのなかで、石山寺縁起絵巻の７巻目が国宝と同じペースで巻替による場面転換があることに気づいた。これを知って４回行く気力を充填。後期も楽しめそうだ。 玉篇は中国で失われた書籍で、部…

七世紀のインドにおいて、ある程度の形を整えていたと言われる『大日経（大毘盧遮那成仏神変加持経）』と『金剛頂経』は中期密教を代表する経典ですが、これらは前期密教（呪法の経典で、現世利益を主体に説く）と異なり、中観・唯識・如来蔵といった大乗仏教思想を根底に据えて、成仏を目指す経典となっています。大乗仏教では成仏（仏陀になること）を目指して修行することになり、基本的に全ての人が成仏の可能性たる仏性を有するとします（一闡提という成仏の可能性を持たない宗教的能力に低い人の存在を認める思想もありますが）。ただし、全ての人が成仏できる可能性を有しているにしても極めて長い年月を掛け、それも幾度も生まれ変わって…

〇盧遮那仏（盧遮那如来） 『華厳経』の教主、盧遮那仏（毘盧遮那仏）は梵語でヴァイローチャナといいます。ヴァイローチャナは光明遍照、即ち、太陽という意味であり、盧遮那仏（盧遮那如来）は太陽のように常に世界を照らし続ける偉大な仏という意味です。あたかも太陽が世間の一切の暗闇を除き、一切の万物を生長させるが如く、仏の光明の広大無辺を表したものです。『華厳経』では広大無辺の宇宙を蓮華蔵世界といい、その中心に盧遮那仏が居て教えを説き、衆生を救い続けています。ヴァイローチャナは『六十華厳経』では盧遮那仏、『八十華厳経』では毘盧遮那仏と訳されていますが、どちらも同じ「報身仏（仏になるための修行を積み、その報…

「火曜散策」2024.11.12By SeimeiWada (pho;三十三間堂「不退転」) ▲命題1 認識を欠く意志のあらわれである本能。 ▲命題2 認識は意志に仕え、意志の目的を実行するように定められている。 ▲命題3 意志の自己廃棄、すなわち諦念。認識が意志に逆作用するときである。 ▲考察 諦念という梵語でupaksaウパクシャーということばがある。語源的にはup-の上に、iksaイクシャの見るからなる。広く見れ、ということである。 このことを美術芸術の面からみてみよう。 欲望を誘う、すなわち意志が全面にでてきている静物画にはたして美を感じいれるであろうか。美の根底には対象の背後に、或る…

世田谷区の九品仏浄真寺（くほんぶつじょうしんじ）の続きです。東急大井町線の九品仏駅から直ぐの場所にありますが、総門、閻魔堂、開山堂などを見て、仁王門に入りいよいよ本堂です。本堂の北側を通り正面に向います。 本堂の側面。 本堂の正面に行くと、九品仏浄真寺の誇るイチョウの木です。東京都の天然記念物に指定されています。ギンナンの実がたくさん落ちています。 傍に大正・昭和期の歌人、植松壽樹という方の歌碑です。 本堂前の「地蔵菩薩半跏像」です。右手に錫杖、左手に如意宝珠を持っています。 そして、仏足石もあります。 いよいよ本堂です。 本堂の扁額は「龍護殿」ですが、本堂の名称になっています。手前に大きな常…

杉崎泰一郎「修道院の歴史」を読む1 有名なミュージカル「サウンド オブ ミュージック」や「天使にラブソングを」には、修道女が登場する。そして修道院の厳しい戒律に馴染まない女性や身を隠すためにやってきた女性が主人公なのだ。 そもそも厳しい戒律とは、何なのか。ど素人の私はそこから読み始めなければなりません。本書第二章に、現在まで伝わるスタンダードと言ってよさそうなベネディクトの戒律が紹介されています。暖衣飽食の生活を満喫している今の日本人からすると、かなり禁欲的で、全てに節制が求められる生活がイメージされます。仏教でも修行中の僧侶が欲を断ち切り節制した生活を送ることに似ています。仏教はお釈迦様の修…

｢日曜散策｣2024.11.03By SeimeiWada ▲命題1 概念は認識根拠への関係にほかならない。 ▲命題1-1 概念は直感的認識との関係においてのみありえる。 ▲命題1-2 人間特有の表象での素材は概念である。主観の側の相関者は理性である。 ▲命題2 必然であること、与えられた根拠から帰結するということは、置き換えのできる概念である。 ▲考察 命題1-1との関連において、仏陀が「為(ため)に実相のことわりを説く」と言うとき、それについて古仏は的確な示唆を与えてくれる。 すなわち、究め尽くすことの意味は、球が盤を走るがごとくであり、また、盤が球を走るがごとくであると。なるほど、なんと…

サワノです。日本語学習、やっていきます。今回は、過去問1年分を解いていきます。 ということで、解きました。1級の合格基準は、総合80%以上＋6領域全てで得点率50%以上。6領域とは、敬語、文法、語彙、言葉の意味、表記、漢字。今回の正解数は… 敬語：12/16文法：10/10語彙：17/27意味：10/16表記：15/18漢字：8/12 総合：77/109(70.6%) いや〜足りないね。準1級認定が7割得点なので、そこがギリギリラインです。まあ今既に準1レベルはあると捉えるべきなのか…？ 特に落としているのが「語彙」。実は全ての領域で語彙知識が原因で失点しています。英検思い出すなぁ。ということ…

「日曜散策」2024.10.27By SeimeiWada (pho;三十三間堂「不退転」) ▲命題1 われわれの生存全体が、その抽象的な概念から受ける影響は重要である。 ▲命題2 理性の欠如は、動物を実在的な客観に限定する。 ▲命題3 世界の完全な反復、いわば、その反映は、本質的に同一なものを、一つの概念に結合し、相違するものを、他の概念に分離することによってのみ可能である。 ▲考察 プラトンは、哲学する資格を多において一を、一において多を認識する力にあるという。普遍的な判断の総和ということを意味する。 まあ、そんなに堅苦しくなど考えずに自然体で言語を離れた自然との向き合い方も洒落ている。そ…