「特許権の侵害」と聞くと、「何やら小難しそう」「裁判所で何年もかけてドロ沼の争いをする」といった印象を持っていると思います。 事実、その通りで、裁判所では、特許の文章を細かくパーツ(構成要件)に分解し、相手の製品がそれをすべて満たしているかどうかを、顕微鏡で覗き込むように慎重に、何年もかけて判断しています。当事者が納得いくまで議論を尽くすため、どうしても時間がかかるのです。 ここで、ひとつの素朴な疑問が浮かびます。「そんなに小難しい判断を、なぜ税関は『数週間』という圧倒的なスピードでこなせるのか?」港や空港の税関は、毎日大量に押し寄せる貨物を次々と処理しています。裁判所でさえ数年かかる高度な特…