pic out: Penny Lane 荷物を積み終えた車の前にフレッドがやって来ると、キャサリンが声をかけた。 「本当に行ってしまうの? せめてあなただけでも残ってくれたら、お祖父様も嬉しいでしょうに……」 しかし見送りの中に、祖父の姿はない。 アランはフレッドを車に乗せると、キャサリンにハグをし、礼を述べた。 「短い間でしたが、お世話になりました」 「住む場所が決まったら、連絡くださいね?」 車に乗り込んだアランはエンジンをかけ、サイド・ウィンドウを開けると、涙ぐむキャサリンの姿があった。 「マーガレット様から、くれぐれもよろしくと頼まれていたのに、なんの力にもなれなくて――」 「私の母は…