Le Scaphandre et le Papillon (The Diving Bell and the Butterfly)
『ELLE』誌編集長のジャン=ドミニクは、42歳の若さである日突然、脳梗塞で倒れる。意識ははっきりしているのに、左目を動かすことしか自由が利かなくなってしまったのだ。絶望の淵に沈む彼に、言語療養士アンリエットは瞬きでコミュニケーションを取る方法を教える。 瞬きだけで自伝を執筆したフランス人の実話を基にした人間ドラマ。
潜水服は蝶の夢を見る
蒸籠特集があったので手に取った「暮しの手帖」(2020-2021年 12-1月号)、 その中に、齋藤陽道さんの連載エッセイがあった。 耳の聞こえない写真家の人。 以前知って、写真集を買ったこともある。 文章の中で、 映画「潜水服は蝶の夢を見る」を見たときのことが語られていた。 脳梗塞で「閉じ込め症候群」となった人の話。 意識は鮮明なのに、無動、無言で、 まばたきでアルファベットを指示する方法を見つけ、 二十万回のまばたきで文字を綴り自伝を書いた。 感動作として私も記憶にあるけれど、 齋藤さんは、 どんなホラー映画よりも恐怖を覚えたと言う。 それは、手や表情で、手話で話す自分が、 手が使えない、…
◯命の選択 三が日に放映された番組「第30回FNSドキュメンタリー大賞」に選ばれたTSKさんいん中央テレビが制作した『命の選択~ALSとの闘い~』。 ALSをテーマとした映画やドラマは、いくつも作られています。「博士と彼女のセオリー」「ギフト僕がきみに残せるもの」「1万分の1」「サヨナラの代わりに」「アリスのままで」など。 私は、脳梗塞で倒れ左目のまぶたしか動かせなくなってしまった男の自伝を映画化した「潜水服は蝶の夢を見る」、内容もですが、このタイトルが、今でも印象的です。 ALS(筋萎縮性側索硬化症)もまた、全身の筋力が急速に衰え、喉の筋肉が弱くなり自発呼吸ができなくなっていきます。そして人…
こんにちは、ジョニージョニーです。今回の記事も前回に引き続いて、映画から得られる闘病のヒントについて考えます。 今回レビューするのはフランス映画「潜水服は蝶の夢を見る」です。ファッション誌ELLEの編集長ジャン=ドミニク・ボビーの実話を基にした作品です。 ジャンは息子と新車を試乗中、とつぜん重い脳梗塞に襲われます。命は助かりますが、身体の自由をほぼ完全に喪失。左目の視覚と聴覚だけが残されました。 リハビリ病院では、言語療法士による意思伝達のための訓練が始まります。家族や友人の支えを励みとしながら、やがてジャンは新たな希望を見出します。それは本を書くこと。 苦悩と希望が交錯するジャンの姿が、詩的…