「年末は一人で熱海旅行に行きます」 12月末に開かれたウチの社長との会食でそう報告したら、「へぇ、すごいね、自分は絶対無理。誰かと一緒じゃないとダメだな」とお褒めの言葉を賜った。俺は内心うれしかったが、それは社長に褒められたからではない。社長より「高尚」で「孤高」な人間だと実感したからだ。 今、この文章を熱海の場末のゲストハウスのロビーで書いている。さびれた熱海の町の景色、ダサい看板を照らす光、そして真っ暗な夜の海が眼下に広がっている。年末特有のダウナーな気分が増幅される、最高のシチュエーションだ。今年を締めくくる一人旅の総括として、書き残そうと思う。 ■そもそもなんで熱海に来たのか? 結論か…