物価安定を使命とするがゆえに「物価の番人」=「通貨の番人」を自他ともに認めてきたはずの日本銀行が、トランプ関税ショックという事態で金縛りにあったように見える。トランプショックによる不況圧力を考えると、利上げを予定通り進めるわけにはいかないという慎重姿勢はそれなりに理屈が通っているようにも見える。だがそれでも、総裁会見が市場を円安方向に動かしたことや、いまだに「2%の物価目標を達成できていないという現実離れの硬直した姿勢をみるにつけ、「動かない」「動こうとしない」番人への疑問と不安を禁じ得ない。 日銀は本当に物価の番人の使命を果たしているか? トランプ関税のせいで利上げ見送り? 日銀は5月1日の…