4、光る右腕 企画書を一通り説明し終えた小関は、一息ついて船橋とQの双方に視線を投げかけた。しかし言葉の出ない船橋とQ。シーンと静まりかえった会議室。嵐の前の静けさのような沈黙に耐えきれなくなった太田が二人の顔色をうかがうように、あえて陽気なトーンで口火を切った。 「どないでっか? まさに今までの常識の斜め上を行く企画でっしゃろ?!」 「……」 「……」 相変わらず無言の船橋とQをみて、さすがに困ったように太田は隣に座っていた小関を軽く小突いた。 「ほら、おまはんも、何とかいいなはれっ」 太田の小突いた腕から、一瞬のぞいた腕時計が船橋の目を引いた。よくよくみるとロレックスだ。太田の太い腕にやや…