かねてより書いていたように、創作は今後は非公開メインで行っていこうかとも思っていたのだが、非公開で書いていたSF掌編を、歌友にシェアしたところ、新たなヒントを頂けたので、手を加えて公開することにした。迷いはあったが、今後はカクヨムを中心に更新していこうと考えている。 kakuyomu.jp 開かれない扉を前にして、わたしは立ち尽くす。言葉を奪われ、指先で扉に描くのは花ばかりだった。こぼれては咲き、散っては花ひらくその花々もまた、名を持たない。わたしの失われた故郷に、春になると芽吹くそれは、人知れず踏まれ、やがて彼らもいなくなり、草木に覆われて土へと還って行った。その扉は夢のうちにあらわれ、固く…