封切り二日目。 席数224の【SCREEN1】は満員の盛況。 いくつかの印象的なフレーズが言葉と文字で繰り返される。一つは「箱男を意識するものは箱男になる」。もう一つは「ひとつの町に箱男は一人しか要らない」。 「箱男」の存在は自明であるようだ。 それを裏付けるように、劇中では何人もの「箱男」が登場し、うち主要な三人の男は、一人の座を巡って肉弾戦を繰り広げる。 傍から見ていれば、はっきり馬鹿々々しくもある闘い。 そうまで執心して唯一の「箱男」になった男は何をするのか。 有態に言えば覗きであり、ここでも「俺は一方的にお前たちを覗く」とマニフェストし、観察し記録に残すことに邁進する。 やはり脱力の度…