ドラマプロデューサー、舞台演出家。 1926年生まれ。東京都出身。 東京女子経済専門学校卒業後、1950年日本電建入社。1957年TBSの嘱託となる。 主な番組作品に、『橋づくし』『愛と死をみつめて』『女と味噌汁』『肝っ玉母さん』『ありがとう』『渡る世間は鬼ばかり』『源氏物語』『明るいほうへ明るいほうへ』『女たちの忠臣蔵』などがある。*1
*1:志賀信夫『映像の先駆者125人の肖像』(NHK出版)などによる
◯ホームドラマ「わが家は楽し」 山田洋次×石井ふく子 ドラマ特別企画『わが家は楽し』3/13 <作・脚本:山田洋次 プロデューサー:石井ふく子 夫婦とは何か、家族とは何か——。 長年「家族」をテーマに数々の名作を撮り続けた映画界の巨匠・山田洋次と ホームドラマのレジェンド・石井ふく子がタッグを組み 今の家族を、夫婦の絆を笑いと涙と哀愁をもって描く! 主演に、小日向文世、さらに戸田恵子、髙橋海人、桜井ユキ、山田杏奈、えなりかずき。 人と人との繋がりが希薄になっている現代だからこそ、孫・親・祖父母の世代に広く「家族」について見つめ直すきっかけを訴える珠玉のホームドラマ> 山田洋次さん93歳、石井ふ…
忍ばずの女 (中公文庫) 作者:高峰 秀子 中央公論新社 Amazon 俳優の演技について語っている本が好きです。 こだわりを垣間見ることができると、おおっ、と思う。 高峰秀子はさまざまなエッセイで、自分の役作りについて語っている。こちらの本は、文庫のうしろの説明にあるように「五十年の女優人生で体得した役づくりの奥義」が語られている。 奥義はもちろん気になるが、この本をぜひ読みたかったのは、宝田明について語られた箇所だった。 宝田明、めちゃくちゃ贔屓にしているのだ。 宝田明が自身の本で語っているように、『放浪記』の際、成瀬監督に何度もやり直しをさせられた。宝田は共演の高峰にヒントをもらおうとし…
かねてからテレビ関係者の間で「嫁いびりをする小姑役を演じさせたら日本で5本の指に入る名優」として高い評価を得ていたのが、ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)に出演していた沢田雅美だ。 ところが1995年4月、そんな沢田をめぐって「芸能界から追放」「女優引退」「行方不明」等々、なんとも物騒なタイトルの記事が、新聞や雑誌で一斉に報じられることになったのだ。 発端は同年1月16日深夜、沢田が育ての親でもあり、「渡鬼」プロデューサーでもある石井ふく子氏への電話だった。 3月の明治座、5月と6月の芸術座、9月の名鉄ホールでの舞台降板を申し入れ、その際に「女優を辞めてもいい」と発言。 さらに途中で電話…
役者としてはもちろんのこと、NHK大河ドラマ「篤姫」や朝ドラ「おしん」などのナレーションでも心地よい語り口が素敵な奈良岡朋子さん。 奈良岡朋子さんは3月23日に亡くなりました。享年93。 映画「土を喰らう十二ヶ月」が遺作となりした。 ジュリー主演の「土を喰らう十二ヵ月」のお話は、また近いうちに。 私は若い頃に何度か奈良岡さんの舞台を見ました。 4月29日にNHKで「奈良岡朋子~俳優、75年の旅~」という番組で追悼していました。 奈良岡朋子さんは著名な洋画家を父にもち、ご自身も女子美術大学(女子美術学校)で洋画科を専攻していらっしゃいます。 しかし、画家にはならずに、卒業と同時に劇団「民藝」に入…
繋がってる人は繋がってるけど、そうじゃない人は本当に一人ぼっち。 人と人が希薄になってしまってる昨今。 これからは今田耕司氏のように、ペッパー(AIロボ)と一緒に暮らしていくことも検討しないといけないのではないか・・・と、そんなことを思いながら、TBSのふく子が、亡き寿賀子へと贈る春のSPドラマ「ひとりぼっち」を一昨日観ました。 寿賀子の「渡鬼」ラーメン屋幸楽のように「ひとりぼっち」は、おにぎり定食屋「たちばな」という所を舞台にして物語が展開していくのだが、このおにぎりはお結びとも言い、このおにぎりを通して人と人が結ばれていく、そんなドラマ。 「あれ~?角野さんですか?」 「いや、卓造に決まっ…
あぁ〜、なるほど……。そっかそっか…と。 エンディングのクレジットを見て、なんで新生版「渡る世間は鬼ばかり」と言われても おかしくなさそうな本作が作られたのか、ようやく少しだけ腑に落ちましたよ。 あなたは決してひとりぼっちじゃない…という裏テーマも込められたあのタイトルは、 内容はもちろんですが、先に旅立たれてしまった脚本家・橋田壽賀子さんと 「渡鬼」で長年絆を深め合ってきたスタッフの方々の関係性も意味していたんでしょうね。 残された我々がまだ生き続けている限り、橋田先生の作家魂を これからも作品を通して届けていく…そんな意思表示を感じさせた作品ではありました。 ただねぇ…そうやって趣旨を後々…
さて2023年2月24日に私はある番組を観ていました。あさイチ「プレミアムトーク 日髙のり子▽奥深き声の世界!タッチ&トトロ」です。NHKプラスでも2023/3/3(金) 午前9:54 まで観られます。 https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2023022406442 さて日高のり子さんが「翔べイカロスの翼」と仰ったように思ったのです、私は。どの辺りで仰ったのかまではわかりませんし、私の幻聴だったかもしれませんし、真偽はわかりません。兎に角、「翔べイカロスの翼」と聞こえたように私は思ったのです。で「翔べイカロスの翼」は本にもなっていますし、映画にもなっていますし、テレ…
福原遥主演で現在放送中のNHK朝ドラ「舞いあがれ!」も、残すところあと1カ月ちょっと。61年に放送がスタートした朝ドラも今年で62年。思い起こせば長い歴史の中、様々な出来事があったが、中でも印象に残っているのが、95年放送の「春よ来い!」における初のヒロイン降板騒動だろう。 同ドラマは、NHKが放送70周年を記念し、「おしん」で62.9%というお化け視聴率を叩き出した脚本家・橋田壽賀子氏を起用。主演には当時、トレンディドラマなどで一世を風靡していた安田成美を起用し、平成6年(1994)10月にスタートした。 しかし、同局の思惑とは裏腹に、関東地区での平均視聴率は、25.5%と歴代ワーストタイを…
主演:宮崎あおい 結婚式直前、花婿に逃げられたりさは4年後、父に内緒で新しく結婚を考えている幸太郎という男付き合っている。 幸太郎はもともと父親の部下だったが、新しく配属された部署では父親の直属の上司になってしまい…!! 【ネタバレ】 結婚して幸せになるという昔ながらの価値観もありつつ、娘が両親にすごいべたべたしてるという関係性は今っぽくもあった。 幸太郎と父親の気まずい空気感笑う。 父親が上司で幸太郎が部下の時はとてもいい関係だったからお互い大事な人なんだけども、これが、上司部下の逆転、さらに結婚が絡む、となったらそら気まずい。 おまけにりさと母親が楽観的な無神経で、よけい笑った。 りさは結…
橋田寿賀子さんが亡くなって早いものでもう1年。 taipon2018.hatenablog.com YouTubeには橋田文化財団のセミナー動画がアップロードされていた。 こんなのただで見ていいの?っていう感じの内容の動画がふたつも。 www.youtube.com 演劇やテレビドラマの研究をされている岡室美奈子さんの渡鬼の解説動画、本当に面白いから見てほしい。 やっぱり橋田ドラマの中心である渡鬼の何がすごかったのかがよくわかる解説。 中でも渡鬼の構造を『同時多発性複合的渦巻き構造』と解説しているのには笑ってしまった。 www.youtube.com 確かに渡鬼って全然問題は解決していかないん…