「地下、アイラ・クズミの楽屋です」 「帰らないのか?この後の行動は、自由だが」 「いいえ、帰ります。ですが、こちらに来ていただかなくてはなりません」 「正当な理由は?私は彼女のファンではないよ」 「警視庁の佐山さんと新谷さんが、一部のお客、正確にはホーディング東京の特別室を利用した四名を引き止めて、これから事実確認を行うそうです」 「……だそうですが、どうしますか?」熊田の声が離れた、電話口で誰かと話してる。誰か?あいつしかない、ぬけぬけと捜査に加わるとは、まったく。「そっちに行く、ああそれと……」 種田は通話を途中で切り上げた。このぐらいの仕打ちは当然。認められるべきだ。アイラが笑っている、…