●歌は、「長門なる沖つ借島奥まへて我が思ふ君は千年にもがも」である。 山口県下関市吉母 毘沙ノ鼻万葉歌碑(巨曾倍津島) ●歌碑は、山口県下関市吉母 毘沙ノ鼻にある。 ●歌をみていこう。 一〇二四から一〇二七歌の題詞は、「秋八月廿日宴右大臣橘家歌四首」<秋の八月の二十日に、右大臣橘家にして宴(うたげ)する歌四首>である。 ◆長門有 奥津借嶋 奥真經而 吾念君者 千歳尓母我毛 (巨曾倍津島 巻六 一〇二四) ≪書き下し≫長門(ながと)なる沖(おき)つ借島(かりしま)奥(おく)まへて我(あ)が思(おも)ふ君は千年(ちとせ)にもがも (訳)わが任国、長門にある沖の借島のように、心の奥深くに秘めて私が思…