訓読 >>> 525佐保川(さほがは)の小石踏み渡りぬばたまの黒馬(くろま)の来る夜は年にもあらぬか 526千鳥鳴く佐保の川瀬のさざれ波やむ時もなし我(あ)が恋ふらくは 527来(こ)むと言ふも来(こ)ぬ時あるを来(こ)じと言ふを来(こ)むとは待たじ来(こ)じと言ふものを 528千鳥鳴く佐保の川門(かはと)の瀬を広み打橋(うちはし)渡す汝(な)が来(く)と思へば 要旨 >>> 〈525〉天の川ならぬ佐保川の小石を踏みながら渡って、あなたを乗せた黒馬が来る夜は、年に一度はあってくれないものでしょうか。 〈526〉千鳥が鳴く佐保の川瀬のさざ波のように、やむときもありません、あなたを恋い焦がれるこの…