『認識台湾』は1997〜2003年に台湾の中学校で使われていた社会科教科書で、地理篇・歴史篇・社会篇から成っていた。歴史についてはそれまで中国史しか教えてこなかったが、この教科書では中国史を廃し台湾史を教えるようにした点で画期的だった。この漫画はそれを土台にしたと考えられ、総ルビになっているところを見ると小学生向けらしい。上冊では先史時代から清領時代まで、下冊では日本時代から現代までを扱っているが、ここでは日本時代の描き方を中心に見ていく。 台湾は韓国や中国に比べて親日的だが、それは全く日本を批判しないということではない。『台湾の歴史教科書を読む』でも示したように、日本統治への評価は肯定と否定…