道を歩いていると、地面のことを忘れる。 地面を忘れると、道は道でなくなる。 地面がなくて、どうして道があるだろうか。 地面がない道など、歩けやしない。 歩けるとしたら、幻の足じゃないと。 でも、幻の足は、一人で、どんどん先へ歩いていってしまう。 地面を忘れるとは、地球を忘れることだ。 地面を忘れるとは、生きることを忘れることだ。 地面を思い出すためには、凸凹でないといけない。 歩きにくい所に来て、初めて、地面を思い出す。 道を外れても、地面はあるが、 地面を忘れたら、地面はない。 地面を思い出すために、凸凹でないといけない。 歩きにくい所へ、行かなくてははいけない。 しかし、どうして、わざわざ…