訓読 >>> 3694わたつみの 畏(かしこ)き道を 安けくも なく悩み来て 今だにも 喪(も)なく行かむと 壱岐(ゆき)の海人(あま)の 秀(ほ)つ手の占部(うらへ)を 象焼(かたや)きて 行かむとするに 夢(いめ)のごと 道の空路(そらぢ)に 別れする君 3695昔より言ひけることの韓国(からくに)の辛(から)くもここに別れするかも 3696新羅(しらき)へか家にか帰る壱岐(ゆき)の島 行(ゆ)かむたどきも思ひかねつも 要旨 >>> 〈3694〉海神が支配し給う恐ろしい海道を難渋しながらやってきて、せめて今からは無事に行こうと、壱岐の海人の占いの名人に占ってもらい、象を焼いて吉と出て、さあ…