序章:66年目の乾杯を、あなたと。 はじめまして、たけしと申します。66歳になりました。かつては東京の喧騒の中でシェイカーを振り、ある時は長野の土にまみれ、またある時は屋根裏で配線と格闘していました。今は、長野の里山の、少し寂れた別荘地の片隅で、妻と二人、静かに暮らしております。 このブログのタイトルは『里山暮らし』。ですが、巷でよく見るような、お洒落な古民家カフェを開いたり、若者たちが集うコミュニティを作ったり、そんなキラキラした話はここにはありません。あるのは、開発に失敗し、時が止まったような土地で、土をいじり、壊れたものを直し、時々やってくる息子や孫と酒を酌み交わす、そんな年寄りの日々の…