鉄道車両で、架線などから集電した電気により電動機を駆動して走る機関車。Electric Locomotiveを略してELと呼ばれる。直流機、交流機、交直流機がある。 現在の多くの客車は、客車自体に電動機を搭載し駆動する電車が主流のため、電気機関車を用いた旅客用列車は少数派となっている。 ※ 画像は国鉄EF81形電気機関車
EH10は、東海道本線及び山陽本線の最大1,200t級の貨物列車牽引を目的として導入された、国鉄最大級の電気機関車で、国鉄としては唯一の8動軸機となりました。 本機が登場した1950年代前半は、東海道本線の電化工事が急速に進められていた時期ですが、大垣-米原間の10‰連続急勾配区間を含め、当日蒸気機関車の牽引により運用されていた1,200t級貨物列車を電気機関車牽引に置き換えるにあたっては、当時の最新鋭であるEF15でも出力不足であり、これを凌駕する強力な性能の電気機関車の導入が必要不可欠となっていました。 EH10は、動軸を8軸としたことで、22mに及ぶ車体は中央で2分割され、箱型の2車体を…
1987年の分割民営化では、ED76 500番代はJR北海道に継承され、岩見沢第二区を引き継いだ空知運転所配置となって、引き続き函館本線電化区間の客車列車を牽いていました。 しかしながら、分割民営化直後にJR北海道は711系に続く近郊形電車を新製し、効率が悪く運用コストのかかる客車列車の置き換えを始めます。当然、ED76 500番代も721系に追われるように運用を徐々に失っていく途を辿っていきました。 客車列車の運用がなくなったのであれば、貨物列車での運用に充てればまだまだ活躍の場もあったと考えるのは必然かもしれません。 10系客車と連結した状態のまま展示されているED76 509。かつてはこ…
北海道専用交流電機として、ED75 500番代の試作の後、量産形式として登場したED76 500番代は1968年から製造が始められました。同じED76という形式を名乗っていても、制御装置にはサイリスタ位相制御を採用し、蒸気発生装置も大型で強力なものを装備。さらに、数多くの耐寒耐雪装備を施され、重量貨物列車の牽引を重連で運転することを想定して重連総括制御装置をもち、前面も貫通扉付になるなど同じ形式とは言い難いほど大きく変化しました。 そのED76 500番代は全部で22両が製造され、岩見沢第二機関区に配置されます。 当初の計画通りに、22両の500番代は函館本線の電化区間である小樽−旭川間で客車…
《前回のつづきから》 1968年から製造が始められたED76 500番代は、ED75 500番代の試験結果を基に改良を加えた北海道向け量産交流電機でした。 制御方式は九州向けのED76が低圧タップ切換制御と磁気増幅器によるタップ間電圧位相制御であるのに対し、ED76 500番代は低圧タップ切換制御は0番代と同じですが、位相制御に磁気増幅器を使わずにサイリスタを採用しました。 また、0番代では屋根上には空気遮断器、後に改良型では真空遮断器をはじめとした特別高圧機器が配置され、交流電機特有の賑やかなものでした。しかし、500番代では冬季の厳しい気象条件を考慮し、これらの特別高圧機器は室内に配置しま…
《前回のつづきから》 1966年に開発されたED75 500番代は、711系と同じく無可動・無接点化を実現できるサイリスタ位相制御を採用した交流電機でした。 通常の交流電機は、主変圧器に設けられた接点を切り替えるタップ切換制御が主流でした。このタップが主変圧器の高圧側にあるか、低圧側にあるかでも変わるので、前者は高圧タップ切換制御、後者は低圧タップ切換制御と呼ばれていますが、いずれもこのタップを切り換えることで電圧を調整しているのです。 ED75はED74までの高圧タップ切換制御ではなく、低圧タップ切換制御を採用しました。こうすることで、水銀整流器を主整流器に用いていた黎明期の交流電機と同様に…
いつも拙筆のブログをお読みいただき、ありがとうございます。 1960年代は国鉄にとって、車両開発真っ盛りの時期といってもいいほど、実に多くの機関車が開発されました。特に交流電機は、パワーエレクトロニクスの技術の急速な発達によって一形式ごとに装備する機器が異なったため、性能も異なっていました。しかし、その実態は「交流電流を直流電流に変換し、直流直巻整流子電動機を動力とする」ことには変わりなく、言い換えれば「ACアダプターと直流モーター」を組み合わせたものであるといえます。 とはいえ、黎明期は主整流器に水銀整流器を用いたものの、もともと振動に弱い繊細な電気機器であるにもかかわらず、走行中は常に揺れ…
こんにちは岩田です。 新幹線公園という新幹線の中を無料で見学できる珍しい公園に行ってきましたので今回ご紹介します。 おすすめ度★★☆☆☆ 新幹線公園について 新幹線公園とは 0系新幹線と電気機関車が展示されている公園 0系新幹線 電気機関車 展示している車両の見学が可能 毎週日曜日に車両内部を公開! 新幹線内部の様子 電気機関車内部の様子 アクセス 摂津市市役所からの行き方 その他補足 注意点 駐車場は市役所 トイレが汚い 周辺に売店、コンビニがない 草木が生い茂っており、虫もたくさんいる 残念ポイント 公園がしょぼい 他に遊べるところがない お土産やおもちゃは買えない 新幹線公園について 新…
いつも当ブログをご贔屓頂きまして、誠にありがとうございます。 ゴールデンウィークもはや終盤。もう終わってしまったという方もいらっしゃるかと思います。 今年のゴールデンウィークは、久々にコロナの宣言の無い連休となり、どこも多くの人でにぎわいました。 昨日お会いした方に、どこに行きましたか?と聞いてみたところ、『他人の後頭部展』に行ってきたと言われました。 何それ、と思って聞いてみると、某有名遊園地に行ったのは良いが、とんでもない混雑だったため、ずっと行列。 その間他人の後頭部ばっかり見ていたため、遊園地に行ったというよりは、いろんな人の後頭部を眺めに行ったようなもの、ということが正確な表現のよう…
EF60は、1960年に登場した平坦路線向けの直流型電気機関車で、1964年までに143両が導入されました。 国鉄では1958年に新型直流電気機関車としてED60・ED61が登場しましたが、この両形式で導入されたMT49形直流直巻電動機を採用したF形(動輪6軸型)となりました。 このため、出力は従来より東海道・山陽本線で高速貨物列車用として使用されていたEH10形(出力:2.530kW)ともさほど変わらぬ出力(2,340kW)となりました。 ED60と異なり重連運用は想定していないため総括制御機能はなく、前面は非貫通2枚窓となりました。 製造当初は、基本番台車は東海道・山陽本線の高速貨物列車に…
《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 1965年2両が落成したED40は、計画通りに上高地線でのダム建設工事用資材を輸送する貨物列車を牽く任に就きました。建設資材という重量物を輸送するため、ED40の新製だけでなく、上高地線の軌道を強化する改良工事も同時に行ったので、輸送力も強化されたのです。 上高地線の貨物輸送は、1965年にダム建設資材輸送が開始されてから増加の一途をたどり、1967年には年間25万トンにも達しました。上高地線の歴史で、最大の輸送実績を記録し、当然ED40もフル稼働という状態だったといえます。 しかしながら、ダム建設用工事資材という期…
廃車体再利用のレストランですが 市電の通り沿いにありました 函館で見つけた廃車体再利用のレストラン っていうかラーメン屋。 「ブルートレイン」なんていうラーメン店らしくない名前…と思ったんですが、案外ラーメン屋らしい名前なのかもしれません。 なかなかゴテゴテした作りです パッと見では廃車体再利用とは思えないほど「ブルートレイン」なんて名前からかけ離れた店構えなんですが、よく見たら廃車体再利用でよくある車輪や台車等々の走行装置を外した「ダルマ」状態じゃなくて、しっかりと車輪や連結器、更にはレールまで敷かれているという保存車両のように充実した配置っぷりが素敵です。 連結器まで残ってます。外観は元車…
梅雨も明けて、すっかり夏到来となった本日の川崎界隈。 そんな本日は、PFの2139号機が関西巡業から帰ってくるということで、久々に花月園前でお迎えすることにしました。 まずは練習がてら鮫を捕獲。 66レ EF66 119 今すぐでは無いものの、そう遠くない将来鮫も見納めになるでしょうから、練習と言えどきっちり仕留めておきます。 でもって本番。 5086レ EF65 2139 すっかり色落ちし、貫禄すら感じさせる風合いは貨物機らしくて好いですね。 何気にこの構図で2139号機を狙ったのは初めてだったので、お天気も良く満足な仕上がりとなりました。 これで今日は終わろうかと思ったのですが、夕方の「ク…
今回の旅行の目的地は、善光寺の御開帳真っ最中の長野。 スタートは新宿から国鉄型特急185系の団体夜行列車。中央線、篠ノ井線経由で長野へ向かう。 かつて東京ー大垣を走っていた夜行列車ムーンライトながらに使われていたが、決して夜行列車として快適な車両ではない。 床に新聞紙を引いて裸足で過ごした。 晩酌を済ませ、友人は早々と眠りについたが、自分はなかなか眠れなかった。 途中、甲府で1時間の停車のほか、20〜30分の停車を繰り返し、5時過ぎに松本に到着。 松本で1号車の乗客が全て降りたので、空になった1号車にお邪魔することに。 窓を開けて国鉄型特急の旅を楽しむ。 日本三大車窓の区間も走行したが、早朝で…
前回の続きで小倉駅からはレンタカーで国道10号線を南下し大分方面へ向かいます。一旦目指すは立石ストレート。この時期はサイドに光線が当たらないので夏向きの撮影地になりますが、ロケハンを兼ねて立ち寄り、現地を確認後、乙津川橋梁へ。数年前に国鉄特急色のにちりん号を撮りに行った以来です。 先ずは、特急にちりん3号から。 動画の切り出し写真になります、動画はこちらから。 787系6000番台(BO6106編成) にちりん3号 5003M https://youtu.be/lRvFtnOChj0 本命の4085レの前にやってくるのは、にちりんシーガイア5号、6両でやってくるので迫力があります。 動画はこち…
今朝も昨日につづき良い天気となりました。 朝から晴れるのは久しぶり、 さっそく朝練に向かいました。 2022/6/25 5062レ 間一髪。 下り回送列車と被るところでした。 2022/6/25 1096レ 2022/6/25 70レ ここまでは定刻通り。 問題はここからです。 6時(正確には5時59分)になっても寝台列車の「サンライズ瀬戸・出雲」が 姿を表さず遅延が発生しているとのこと。 ・・・7時くらいまで待ってみましょうか。 2022/6/25 5086レ お目当ての電気機関車(EF65)が40分遅れでやって来ました。 どこかで「サンライズ瀬戸・出雲」を追い抜いたと思われます。 この先も…
小津安二郎監督は原節子さんを「紀子」という名で演じさせた作品が3本「紀子三部作」と呼ばれている)ありますが、本作は「晩春」(49))に次ぐ2番目の作品です。 監督:小津安二郎、脚本:野田高梧 小津安二郎、製作:山本武、撮影:厚田雄春、編集:浜村義康、音楽:伊藤宣二。 出演者:菅井一郎、東山千栄子、笠智衆、三宅邦子、原節子、淡島千景、佐野周二、杉村春子、他。 「晩春」では紀子と父親の物語で結婚相手を紀子が父の説得で受け入れましたが、この作品は “紀子”自らの意思で決めるところが、前作の紀子物語の差異です。 「晩春」より柔らかでユーモア溢れた作品ですが、終戦から6年、まだまだ戦争の傷が残っていて、…
自分のあの3月11日は当時勤務していた静岡県の会社の建物の中だった。静岡県だ。東北からは5、600キロは離れているだろう。しかしそこで危機感を感じるほどの大きな地震で、ただ事ではないと生理的に思ったのだ。会社のメンバーへの害もなく、すぐに家族の安否確認もとれた。ほっと安心するも新幹線も止まってしまった。当日は帰宅不可能となり会社に泊まったのだった。 その晩会社で見たネットニュース映像は信じられないものだった。ニュースの傍観者に過ぎなかった自分にはそこからあとの話を今ここで書くほどの経験も見識もない。その後の原発の事故といい未曾有の災害に見舞われた方々に、通り一遍のお悔みを述べてもなんの意味もな…
月曜日です。 「ロイヤルエクスプレス」と 休み明けは積荷が期待できない貨物列車の撮影に出掛けました。 2022/6/20 回9542M(ロイヤルエクスプレス) ロイヤルエクスプレスの回送列車。 この前後に貨物列車が1本づつ設定されているのですが、 本日は運休のようでした。 2022/6/20 5052レ やって来たのは1本だけ、 しかも、 2022/6/20 5052レ 積荷のコンテナはすっかすか。 前日の日曜日に出発している便なので、 これは仕方がない。 このあと1時間ほどで戻ってくる「ロイヤルエクスプレス」を待ちます。 2022/6/20 ロイヤルエクスプレス 9043M 当初の計画から佐…
近畿日本鉄道(近鉄)は5月下旬、統合型リゾート(IR)の計画される夢洲(大阪市)への直通に向け、架空線電化区間の近鉄各線から第3軌条区間のけいはんな線・大阪メトロ中央線の直通に備えた可動式集電装置の試作品が完成し、試験に着手すると発表したと報じられている。ということは、屋根にあるパンタグラフと、車輪近くから横に集電端子を突き出す方式を共存する車両を作るということだろうか。数台の車両が繋がっているものでも、全車両に2種類の集電装置を付ける必要はないかもしれないが、流れる電流の大きさによっては、複数台の車両に設置しなくてはならないだろう。また、電圧も異なるから、電圧変換装置も設置しなくてはならない…
本当に最後に私の大好きな電気機関車を書いて、鉄チャン系シリーズの話題を終了したいと思います。皆さんもすでにお気づきかもしれませんが、このブログでは殆どの場合で敢えて列車や機関車の型式を書いていません(列車名とかは書いてあります)。これは今までの家族の女性達のリアクションを見ていて思ったのです。女性と言うか、男性でも興味ない物については適当に流す物です。なので特定の型式を書かずマニアではない人も読み易いようにと、私なりに気を使ったつもりなのです😅。しかし、このEF57という形式の電気機関車が、私を決定的に鉄チャンの世界へと導いたので、やはり最後にこの機関車との思い出を語って終わりにしたいと思いま…
約1年ぶりに153系にもどります。あまり手をかけるつもりはないのですが、パンタの引き込み線(母線と空気線)くらいはつけようか、と作業をしました。それぞれ0.6㎜と0.4㎜線ですが、もっと細い線の方がいいかもしれません。 エンドウのモハ152もMPギアとEN22にするつもりだったのですが、EN22の供給が途切れそうなので、電気機関車用に確保したくなりました。そうなるとこのカワイのモハ152を機関車並みにウエイト補充し、7両編成を1Mで走行させてはどうかと考え始めたところです。果たしてうまくいくか?
PENTAX KP + HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWF5.6 1/50 ISO-100 やはり鮮やかな色をした列車は良い。 ご承知おきの通り物好きなので、今週もまた懲りずにEF510型の貨物列車を目的に湖北へと足を伸ばした。前回と同じ場所であるが、今日の牽引機は赤色をまとった0番台ということで、実に楽しみであった。EF510型電気機関車には赤・青・銀の3色があるが、私が一番好きなのは赤だ。景色の中に埋もれずよく映えるからである。 どこまでもスッキリと澄み渡る青空・・・というわけにはいかなかったが、薄雲越しとはいえ太陽の場所がはっきりわかるくらいには眩しかっ…