田熊の妊娠7週目は出血による自宅安静と同時に食べづわりの幕開けでした。 お腹が空くと気持ち悪いとはこれいかに、とそれまで想像できていませんでしたが実際に自身の身体に起こるとそれは事前に想像できるはずもない全くの新感覚なのでした。 お腹が空くと、という表現は少し異なっていて、常にお腹が空いていました。 その空腹感は非常に不快なもので、精神が胃の不快感に集中してしまい他のことが考えられなくなってしまうのでした。 発狂しそうな空腹感を解消しようと食べ物を口に入れるわけですが、食べ物ならなんでもいいというわけでもなく、田熊は野菜と肉・魚、甘いお菓子を全く食べたいと思わなくなりました。 パンとおにぎり、…