書店経営にあこがれながら、「せめてあと20年若ければ、やりたいなあ」という年齢に達してしまった(資金という別問題はあるが)。1年ほど前に毎日新聞社を辞めて書店を開業した元新聞記者の話を読んだが、彼は会社勤めの頃から計画的に準備してきた様子がうかがえた。 この本は、大型書店勤務から沖縄・那覇市へ拠点を移して古書店を始めた宇田智子さんの体験記である。文庫版は増補として、7年分が加筆されている。宇田さんは一人書店、小規模書店のシンボル的な存在になっている。屋号は「市場の古本屋ウララ」だ。 増補 本屋になりたい ――この島の本を売る (ちくま文庫) 作者:宇田 智子 筑摩書房 Amazon そもそもは…