「暑いね!」 声をあげながら入ってきたその人は、特定の誰かに話しかけたわけではなさそうです。でも誰かしらが「そうだね」「暗幕だもんね」「扇風機はまわってるんだけどね」と返しました。男性も女性も、歳上も歳下も関係なく。 こういう場所をつくりたいのだと思いました。 下川町に行きました。 北海道北部・内陸に位置する下川町は、人口3,000人の小さな町。山を越えて市街地に入ると、ギュッと集めたみたいに役場や商店街が並んでいて、店先は明るいけれど人の姿はまばらです。たまに見かける人はみな同じ方へ歩いて行きます。そのさきに、わたしの目的地もありました。 月に1度、町の文化施設である木造の旧営林署庁舎を開放…