「城咲子さん、海外拠点の田中さんのWhatsAppが、なんか変なメッセージを取引先に送りまくってるみたいで……」——金曜の夕方、こういう連絡が来ると、その日の夜はもう眠れません。胃薬の出番です。WhatsAppアカウントの乗っ取りは、起きてからの数十分が勝負なんですよね。 これまで2回にわたって、手口の全体像(第1回)と、乗っ取られないための防御設計(第2回)を書いてきました。でも、どんなに予防層を固めても「失敗する可能性のあるものは、いずれ失敗する」。だから最終回の今回は、それでも乗っ取られてしまった後の初動と組織対応を、CSIRT(インシデント対応)の視点で書いていきます。予防が破られた前…