Hatena::ブログ(Diary)

読闘食闘日記

16/08/25 ここから始まる、かもしれない

[]映画『ラサへの歩き方 〜祈りの2400km』@渋谷イメージフォーラム

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中国籍チベット人の撮るチベット文化圏映画は近年、国際映画祭などで散見されるようになってきましたが、この映画は漢民族の監督がチベット文化を描いた作品です。

http://www.moviola.jp/lhasa/theater.html

なので、オリエンタリズムによって撮られたのでは、と心配していたのですが、思った以上にフラットにチベット人とその生活を扱っていました。

最初はポスターに使われている女の子が主人公なのかと思ったのですが、だいたいみんなそれぞれにエピソードがあり、特にニヤニヤしたのは理容室でかわい子ちゃんに向き合っていられなくて、回転椅子でくるくるしちゃう男子18歳! 甘酸っぺえ!

この映画、素晴らしいチベット高原の景色と、非日常のはずの巡礼の中の日常的な事件の両方を、一度の鑑賞で咀嚼するのはなかなか難しいです。そしてこの映画の景色は、映画館サイズじゃないと意味がないスケールでした。

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16/08/07 ゴジラと王蟲

[]『シン・ゴジラ』@TOHOシネマズ新宿

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昨日はエヴァシリーズもゴジラシリーズも興味ない夫の人と、ゴジラのいる歌舞伎町の映画館のTCXシアターで『シン・ゴジラ』2回目。なお、今日はパンフレットがあったので、買ってきました。夫の人は、「何も期待してなかったけど、オタクがやり切った作品として100点!」とのこと。ただ、動物・植物などの生き物好きなので「でもこうして見てみると、ゴジラってかわいそう」と、ぽつり。

そして、東宝の看板商品なのに音源を3.1chにしたのはなぜかについて、夫の人は「これは虚構だよ〜」という庵野監督の様々な目配せを画面から感じていたことから、臨場感を必要以上に出したくなかったのでは、と。

そんな夫の人いわく「最後の尻尾のあれは注入隊第1隊が尻尾でさらわれて凍っちゃったんじゃないか」。ヒィ〜、そう言われるとそうかもっていうか、かなりそれはつらい……。8/6に『シン・ゴジラ』見るっていうことに、自分でも意外なほどにぐっときていたので、余計に。東海JCO臨界事故に遭った方々のことなども、どうしたって思い出してしまう。


終わったらまっすぐに新宿西口の果実園リーベルへ。ここはメニューその他の誤字脱字が物凄いのが楽しみの一つなんですが、入り口に脇かかってる垂れ幕が新しくなってて、案の定……。

↓パパイヤパフェが二つ。右側のは基本のフルーツパフェでは?

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↓名もなく値段もない、紅茶のような飲み物

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夫の人は攻撃色王蟲みたいなケーキを頼んで、写真を撮ろうとすると執拗に王蟲画像をフレームインさせようとしてきました。

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16/08/02 何度も見たい『シン・ゴジラ』、何度も言いたい「無人在来線爆弾」

[]『シン・ゴジラ』爆音上映@立川シネマシティ

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シン・ゴジラゴジラ映画や名作日本映画を踏襲しているのに、どんな映画にも似てないので、まず映画自体がゴジラっぽい。そして、クリエイターは打ちのめされる映画だろうと思う(というか打ちのめされに見に行ってほしい! そしてそこから這い上がってオリジナルな自分になってほしい)。

映像体験として予告編は序の口でした! CGや合成映像映画で予告編からの想像を超えるものって、初めて見たかもしれない(シュヴァンクマイエルとかは除く)。最初に上陸した際のゴジラの皮膚感がもっと気持ち悪いのが好みなので、造形はよかったのに〜、と思った以外は大満足!

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有名俳優も実力派俳優も自衛隊も、視覚に対して物量作戦なんだけど、それも無駄に豪華なのではなく必然だし、馴染みのある場所もない場所も、景気よく壊されていく場面はカタルシスがきっちり得られる。職人の作品だなあ。途中からストーリーと関係なく、その職人としてのきっちり具合に感涙していました。

そして、題材が題材なだけに、強烈に東日本大震災と福島第一を思わせ、というか、そこから逃げない絵作りが素晴らしい。現実のそれを被災地中心に復興するためには、竹野内豊の最後のセリフのようにならなくちゃダメなんだろうな、いや、本当にそうか? 諦めていいのか? という観客への宿題まで用意されているというきっちりぶり。

あと、あんまりツイッターとかで「エヴァじゃん(呆」と言われているので、昨今、別のアニメ出身監督の自己劣化コピーぶりに哀しくなっている身としては心配だったのですが、いやあ、あれくらいのセルフパロディはぜんぜん問題なし! なにしろ劣化してないし! あ、でもセルフパロディって書いたけど、庵野監督自身はパロディとか思ってなくて、「笑わせようとしたんじゃないっ!」@アオイホノオ、な状況なのかも。

やっぱり庵野監督は天才だったんですねえ。でも、エンドロール見てると監督、働きすぎ! そしてわたしは映画館を出てケーキ屋さんで「ものすごいものを見てしまった」と思いながら、次はどの上映方式でこの映画を見ようかと思っていたのでした。

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16/07/27 バレエと美食と電車でGO

[]オールスター・バレエ・ガラBプロ@東京文化会館

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オールスター・バレエ・ガラ、最終日のBプロでした。ラフマニノフの「ラプソディ」にアシュトン振付を、フェリとコルネホの二人で幕開け。2007年に引退、したと思ったら2013年に50歳で復帰、今年53歳のフェリを見ると、年齢って、なんだろうと思えてきます。

特にAプロでのジュリエットは、引退前と変わらず、いやむしろ初恋で暴走する乙女心の表現はさらに研ぎ澄まされて、純粋ゆえの怖さに、ロミオが宥めすかしているように見えるほど。

そして次はアナニアシヴィリとゴメスの「白鳥の湖」第二幕のアダージョ。Aプロでおそるべき「ジゼル」を踊った二人のこれもまた、素晴らしいものでした。アナニアシヴィリ、はっきり言うとプロポーション的には胴体側面が年齢なりにもたついてきているのですが、それでも素晴らしい。「ジゼル」でもそうだったのですが、速く踊ってしまえばごまかせるような箇所も、バランスと美の完璧さを見せつけるかのように、ややゆっくりと踊っているように感じました。

次は曲も衣装もフラメンコっぽい"Fragments of one's biography"をロパートキナとエルマコフで。ロパートキナはAプロのカルメンに続き、強そうな女性を楽しそうに踊ります。

このあたりで完璧ならざる人間の身に、完璧なものばかり見せられてきて、脳の処理がオーバーフローし始めていましたが、次のザハロワとロブーヒンの「ジゼル」で脳の処理速度が追いついてきました。

というのも、ジゼル登場の最初のジャンプのあとの着地の足音に、現実に引き戻されたから。助走をつけてのジャンプでもなく、両脚での着地なのに、それなの? と。その後、ロブーヒンもけっこう足音が。顔やプロポーションで言えば、アナニアシヴィリよりザハロワの方が好みなのですが、去年のボッレとの全幕のザハロワはどこへ……。

対してアナニアシヴィリのジゼルは体の動きに沿って動く衣装の動きまでも支配しているかのよう。そしてジゼルとしての自意識が、ウィリという集合的無意識に飲み込まれるのをなんとかおしとどめている感じ。そして二人ともとにかく足音がしない!

ザハロワのジゼルは、まだジゼルという個人でした。個人としての意識があるままのアルブレヒトとの永遠の別れと、集合的無意識に飲み込まれながら、自他の境が曖昧になりながらの別れとでは、どちらがつらいだろう、などと考えてしまいました。

ただ、わたしのなかではジゼルはアルブレヒトを助けたことで、煉獄としての集合的無意識への融合は免れてキリスト教の天国に、仏教なら輪廻の輪の一段上で菩薩の位に行くんじゃないかという気持ちはあります。

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第一部最後はポリーナ・セミオノワ以前の巨乳プリンシパルならこの人、のジリアン・マーフィーとマチアス・エイマンで「リーズの結婚」のパ・ド・ドウ。夫の人に言われて気づいたのですが、Aプロのチャイコフスキー・パ・ド・ドウでもあったように、マーフィーは他のダンサーが区切って踊るところを、ひとつながりにやわらかく踊るのが面白い。ひとつながりにするためには、区切りと区切りのあいだを自分で考えて踊って埋めなければならないのですが、その苦労がまったく見えず、軽々と踊っているのには驚嘆します。エイマンのテクニックと華も素晴らしく、衣装もかわいらしく、休憩前がこれでよかった!

第二部はコンテンポラリー多め。初っ端からロパートキナとエルマコフでバッハにのせて「プレリュード」。幕が上がった瞬間、ステージ中央奥にドレスの裾を広げ、その上に両腕を伸ばして屈んでいる美しい物体に目が吸い寄せられます。ロパートキナは、踊り始める前からいつもそのスタイルが出来上がっていて、その完璧な美しさから目を逸らすことができません。

次はガーシュインの曲にバランシン振付で「フー・ケアーズ?」より「君を抱いて」をマーフィーとエイマンで。ニューヨークっぽい背景を前に、ミュージカル映画のようなパキパキした振付が決まりまくります。

お次はザハロワとロブーヒンで「ディスタント・クライズ」。ザハロワのコンテンポラリーをもっと見たい! と思う演目でした。

そして日本初披露のグルジアの民族舞踊をもとにした「レクリ」をアナニアシヴィリが踊り、会場が沸いたところに、フェリとコルネホの「ル・パルク」。世界バレエフェスティバルでフェリやほかのダンサーで見てはいましたが、今日のこれは素晴らしかった。ほかのダンサーが振付をなぞって、でも振付家の筆跡が透けてみえるようなところを、フェリは完全に自分のものにして踊っている。それも以前に見たときよりさらに「彼女のもの」にして。53歳にして、まだ進化し続けるフェリの凄さに鳥肌が立ちました。

さて、トリはカッサンドラ・トレナリーとゴメスで「眠りの森の美女」よりパ・ド・ドウ。トレナリーの髪型が、ディズニーの眠り姫の前髪部分と、ディズニーのシンデレラのヘアスタイルのようなのがキュート。いや、順序は逆で、ディズニーがクラシックバレエのあれこれを参照したのだとは思いますが。ゴメスも相変わらず素晴らしく、二人でフィッシュダイブが何回もあるパ・ド・ドウを軽やかに完璧に決めて行くのでした。

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終演後は友達を呼び出して、夫の人と三人でいつものお店へ。食べたのはチーズフォンデュにマッシュポテトの入った危険な食べ物・アリゴ(写真なし)、穴子と牛蒡のテリーヌ、鶏レバーとパクチーのサラダ、鶉の黒豚フォアグラ詰めトリュフがけ、トマトのマリネ、冬瓜のポタージュ(写真なし)、デザート三種。どれも美味しかったけど、出色だったのは、テリーヌとポタージュと、デザートのピーチメルバの桃!

そして仕事のために翌日、早出のため、窓から中央線総武線が見える、わたしにとっては最高の部類のホテル泊。広い部屋にしてくれていて、ありがたい〜。

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16/07/23 一流のバレエには一流の音楽か、もしくは録音を!

[]オールスター・バレエ・ガラAプロ@東京文化会館

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初っ端のロパートキナから超人ばかり。夫の人の言う「フルコースじゃなくて、メインの肉肉肉魚肉の世界」に納得の濃さ。ほかには、ザハロワとエイマンの「チャイコフスキー・パ・ド・ドウ」、アナニアシヴィリとゴメスの「ジゼル」と、アナニアシヴィリの「瀕死の白鳥」、フェリのジュリエットが特に心に残りました。

特にゴメスのジゼルのアルブレヒトが! ジゼルより足音がしないって、どういうことでしょう? いや、理屈としては男子の方がクッションになる筋肉量が多いから、というのはわかるんだけど、顔に衣装の紺色が映ってるせいか、「わー、この人もうすでにウィリに沼に落とされて死んでるんじゃ」「そうでなくともじきに後追い自殺しそう」という浮遊っぷり。対するアナニアシヴィリも、まるで煙とか霧が空気中を移動するかのようなジゼルなので、この世のものじゃない感が半端なかったです。

アナニアシヴィリの「瀕死の白鳥」は、最期、力尽きる白鳥、ふっと舞台の床に腕と、そして手が落ち、同時に二階席まで聞こえた、こつん、という音。その、こつん、を陳腐にさせない、本当に鳥ならそんな音はしないはず、とかそういうツッコミを跳ね除ける、そこに至るまでの一連の踊り。

ラストのその、こつん、からすぐの暗転と同時に涙が滲む。夫の人はロパートキナのそれは白鳥にしか見えず、アナニアシヴィリのはダンサーに見える、と言うのですが。今夏見逃してしまったがザハロワのそれも生で見たいなあ。この演目は、踊り手の舞踊言語の違いが本当に際立ちますね。

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なのにまたしても生演奏がぱっとしない……。休憩後からの第2部の演奏の方が粗が目立つのは、みなさんスタミナ不足?

特にひどいのが、ロミオとジュリエットの寝室のパ・ド・ドウ。せっかくフェリが暴走する恋心を踊っているのに、あんな演奏でかわいそう……。

第2部最初のピアノとヴァイオリンも、弾き始めがどうも硬い。ピアノは左利きのひとが弾いてるのかと疑うほど、高音になるほどに確信なさげなタッチだし、ヴァイオリンも余裕なさげ。瀕死の白鳥はそれで心配してたけど、これは弾けてる。全体的にムラがありすぎる劇伴でした。終演後、その憂さは食で晴らしましたが。

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楽しみすぎて、開店五分前についてしまった……。食いしん坊にもほどがある

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パセリとハムのテリーヌ、とうもろこしのフランにコンソメのジュレと鯵トッピング

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メインは黒豚のソーセージ、ベーコン、ポトフ

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デザートはこちら

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マンゴーとパイナップルのタルトを「マンゴーとバカップルのタルト」と空目……

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あ、メインの前にスチームした豚舌のりんごソースも食べたのだった

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