Hatena::ブログ(Diary)

読闘食闘日記

17/07/09 芸術監督まさかの……

[]イングリッシュ・ナショナル・バレエのコッペリア@東京文化会館

f:id:Mmc:20170709143907j:image

昨晩の公演が今夏の日本ツアー1日目。が、プロローグの一音めからして、あ、今日はダメな楽団……、という残念感。もう東京シティ・フィルハーモニック使うのやめてほしい! が、こういう時に限ってアンケート用紙のない公演だったり。

そしてスワニルダが、ENBの芸術監督であり、リード・プリンシパルのタマラ・ロホの回だったのですが、1幕からどうも決まらないところがあるな、と思っていたら、3幕で信じられないようなミス。そこからはロホの笑顔が演技に没入しての笑顔ではなく、張り付いたような作り笑顔に、むしろ豪快なまでに華麗な踊りが魅力だったのに、次なるミスを恐れてか、踊りが小さくまとまってしまった。それでもなおふらつく場面もあり、もしかして彼女主役の全幕ものは、そろそろ見られなくなるのかもしれません。

内容的にはわたしの加齢のせいか、コッペリウス博士がかわいそうでかわいそうで。3幕でいろんな人形のパーツを抱えて怒鳴り込んでくるところは、「お前らのとこの若いもんのせいで、わたしの長年の夢がズタボロだ! この不揃いのパーツのように!」と言っているようで泣けてしまいました。

コッペリアが命を宿したのではなかったと突き付けられてから、そんなはずは! と、人形を分解して原因究明してたんじゃないか、とか、仲直りしてからフランツが溌剌と目の前で踊るのを、見るだけでもつらい気持ちなのでは、と人形作りには才能があるけど人付き合いは苦手な非モテと、諸星あたるのようなモテとの残酷な対比を思ったり。

なお、黒人ダンサーや、スパニッシュなのか、ヒンズー系っぽい肌色のダンサーもいて、同じ衣装でも白人、東洋人とはまた違うふうに似合うので、いつかそんなダンサー主役でバヤデールを見てみたいと思ったり。

あと、花嫁花婿の友人たちの見せ場では、スワニルダとフランツは親戚に挨拶とかして回ってるのかなー、とか小町の読みすぎか現実的なことを考えたりしました。

17/06/11 ロマンチックが不完全燃焼

[][]『ムーンライト』@アップリンク渋谷

D

ようやく見ました。いい映画ではあったけど、アカデミー賞ものか、というと、うーん……。去年のアカデミー賞白色漂白汚染からのバックラッシュなのかなあ、と思ってしまいます。

腐女子なので楽しみにはしていたんですが、後半になるにつれ抒情性が鼻について、ダメな感じのBL展開だなーと思って見てました。少なくともラストの夜の海に佇む少年リトルのシーンは、入れるとしてもあそこじゃないよなー。諸体験の途中とか後じゃないのかしらん。

腐女子としては、叙情性高めるならもっと高め切って終わってほしいんですよ! それこそ夜の海岸で全裸でもたれあいながら座って月を見ているラストとかね。つまり、抒情性=ロマンチックが不完全燃焼に感じたわけです。

17/06/04 涙と笑いの亡命生活映画

[][]映画『ラモツォの亡命ノート』初上映会@新宿歴史博物館

2008年の北京五輪を前に、中国内のチベット人の本音をインタビューして回ったドキュメンタリー映画があります。原題はチベット語で『ジグデル』(=恐怖を乗り越えて)。この映画を撮り、映画の進行役も務めたドゥンドゥップ・ワンチェンは、ただドキュメンタリー映画を撮ったというだけで、“分裂主義を煽動した”罪と諜報活動の罪で2009年12月に懲役6年の判決が下されました。また、命がけで人権侵害を暴いたとして、2012年「国際報道自由賞」を米ジャーナリスト保護委員会から授与されています。今日のエントリの映画の「ラモツォ」はこのドゥンドゥップ・ワンチェンの妻で、4人の子の母です。

D

『ラモツォの亡命ノート』は、ラモツォと、彼女と子どもたちの6年を追ったドキュメンタリー映画、というと、暗くてシリアスな映画かと思うでしょうが、泣けるところもあるけれど、亡命先で順応して意外とからっと明るく生きるチベット人の生活ぶりに、ふふっと笑みがこぼれる映画でした。

同時に、チベット人だけでなく、やむにやまれず亡命せざるをえない人が、どうやって亡命先で根を下ろしていくのか? ということが、生活の目線からわかる映画です。とくに何度も出てくる台所や、ごはんのシーンが楽しい!

https://vimeo.com/203784473

この映画、今月末、6月30日までクラウドファンディングをしています。応援していただければ幸いです。

https://motion-gallery.net/projects/lhamotso

ところで、2008年の北京五輪開催の約束として、「人権問題を改善する」はずの中国が約束を果たさないことで、チベット支援を本格化させ、SFTJ(Students for a Free Tibet: スチューデンツ・フォー・フリーチベット・ジャパン)に加わり、『ジグデル』上映会やドゥンドゥップ・ワンチェン解放キャンペーンをしてきた身としては、この映画を見て、少しだけ報われるところがありました。この映画を作ってくださって、ほんとうにありがとう!と監督・撮影・編集の小川真利枝さんに感謝しています。

17/05/03 子役というより女優……!(白目

[]『草原の河』@岩波ホール

D

とにもかくにも主演のヤンチェン・ラモの演技がすごい。『ミツバチのささやき』のアナ・トレントを凌駕する、子役というより女優な演技。冒頭、お父ちゃんが嘘をついている時の目つき、顔つき! いま中学生くらいだが、どうしているのだろう。

映画自体は、驚愕の子役女優ヤンチェン・ラモという素材の良さを活かして自然に撮っているようでいて、実のところ隠し包丁のように演出の技巧の凝らされた作品だった。台詞が削ぎ落とされているのに確実に伝わるのは、演出の妙。文革の影響をそこまでは描いていいんだ、と思ったのも発見。

見終えてからオーレオーレでゆっくりと人参と胡桃のミモザ風、鯖と野菜の白ワイン蒸し、羊肩ロースのロースト、甲烏賊とスナップえんどうのアヒージョ、フルーツタルトを食べながら、夫の人と語り合う。

f:id:Mmc:20170505015135j:image

なお、その夫の人の鑑賞直後の様子:

「ヤンチェン・ラモ萌え〜〜」

「バイクにお坊さまが乗るシーンで、法衣が気になって気になって(同じ監督の『陽に灼けた道』のエピソードによるもの)」

「お父ちゃん、もっとしっかりして。第二子も生まれるんだし」

D

17/04/30 実写攻殻はぜひ吹替で!

[][]Howling in the Night 2017―押井守、戦争を語る―@六本木ヒルズ

f:id:Mmc:20170429173724j:image

昨日は毎年恒例、そのために休みを申請してる、押井守まつりこと、「Howling in the Night 2017―押井守、戦争を語る―」の日。実写攻殻をメディアで激賞してたのでその裏とか撮影現場土産話と、タイトルどおりいま現在の状勢についての話などを楽しみに出かけました。

実写攻殻に関しては、あれは吹き替えで見るものですね。というか、吹き替え版は、押井守自身の求める、役者もその存在感も映像も声優の演技力も、すべて素材として使って映画を作り上げるということの、一つの完成形になっているのでは、と感じました。

吹き替え版声優さんが載っているかとパンフレット買ったのですが、それは載っていなかったけど、押井守の寄せている2ページにもそこはかとなく、その羨ましさが漂っていたような。

なお、今年は岡部いさくさんどうだろう、と心配してましたが、無事、お話が聞けました。毎年なぜか、どうだろう、という状勢になる、というのは、もはや日本もとっくに、戦争から遠く離れた国などではなくなっている、ということだと思います。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Mmc/20170430