今日のMSN産経ニュース(5/3分)(追記・訂正あり)

■【安倍政権考】足元見られる「真空斬り」対露外交
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140503/plc14050314320010-n1.htm

 外務省幹部の言葉を借りれば、ウクライナを軍靴で踏みにじろうとするロシアへの日本政府の外交方針を「真空斬り」と言うそうだ。(注:赤胴)鈴之助の真空斬りは、竜巻を起こして敵をやっつける必殺技だが、日本政府のは、日本刀を振りかざしても決して相手を傷つけないということらしい。
 政府は4月29日、ウクライナ危機をめぐるロシアへの追加制裁としてロシア政府関係者ら計23人への日本入国査証(ビザ)発給を当分の間停止する措置を決めた。前日に制裁を発表した米欧に歩調を合わせたものだ。政府は3月17日にもロシアによるクリミア併合を受け、ビザ緩和協議の停止や3つの日露協定の締結交渉開始凍結の制裁を決定している。しかし、いずれも米欧に比べれば“二段落ち”の寛容ぶりで「形式的な制裁にすぎない」(外交筋)のが実情である。
 先進7カ国(G7)の結束を乱すわけにはいかない。さりとて北方領土問題解決に向け対露外交を重視してきた安倍政権としては、ロシアと真剣でことを構えたくない。
(中略)
 安倍政権がロシアに配慮し、G7*1の共闘を“演出”する程度の「緩い制裁」にとどめている背景には、そんな事情が見え隠れする。
 なにせ安倍晋三*2首相(59)はウラジーミル・プーチン*3大統領(61)との厚い「信頼関係」が自慢らしい。第1次政権で3回、第2次政権では発足1年4カ月余で5回も首脳会談を行っている。在任中の領土問題解決を掲げる首相には、プーチン氏がよほど「話せる相手」に映っているのだろう。4月下旬に予定されていた岸田文雄*4外相によるモスクワ訪問は延期されたが、ぎりぎりまで実現にこだわったのも首相だった。
 とはいえ、首相はプーチン氏を買いかぶり過ぎではないか。プーチン氏を「オトモダチ」と思い込んでいた森喜朗*5元首相(76)同様に、プーチン氏の掌に乗せられていると思えてならないのだ。
(中略)
 スパイ出身の狡猾なプーチン氏にとって、乳母日傘育ちの安倍首相なんぞは、まさに「坊や」だろう。プーチン氏は舐めている相手には絶対譲歩しない。ウクライナ問題でロシアに腰が引けた対応をとり続ければ足元を見られるだけだ。同盟国の米国と歩調をぴったり合わせてガツンとやる方が、領土問題を前進させる近道だと信じて疑わない。

 太字部分は小生の強調ですが、産経記者って阿比留など一部を除いて安倍の事を内心ではバカにしてるんだろうなと思える一文です。何せ「乳母日傘育ち」「坊や」ですから。まじめな話、安倍批判派でも、多くの人間はこういう表現は「むしろ思いつかない」んじゃないか。大体、朝日新聞あたりが「乳母日傘育ち*6」「坊や」と書いたら「安倍総理をバカにするな」というのが産経じゃないんですかね。
 「乳母日傘育ちの坊や」って、要するに「甘やかされて育った無能なボンボン」と言うような意味の言葉ですから。
 まあ、確かにたたき上げのプーチン*7と「三世政治家の安倍」では政治家としてのレベルが違うとは思いますけどね。


■【テレビが危ない(1)】ユーチューブで日本の人気番組は研究し尽くされている…日本の番組・タレントがアジアに入り込む余地なしに
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140503/wlf14050318000005-n1.htm
・この記事の分析がどの程度正しいかわかりませんが、それはともかく。
・この記事で面白いのは「産経がフジの凋落を認めてる」ことですね。むしろ最近は「テレビ朝日テレビ東京」のほうが視聴率が好調なんだそうです。1980年代のフジ絶頂期には「テレ朝やテレ東が視聴率でフジを越える」なんてことは予想も出来ないことでしたが。
 苦戦が伝えられる昼番組「バイキング」に対する評価もかなり厳しい代物です。
 産経にとっては「フジの凋落」は「産経の経営危機深刻化」に直結するので複雑な心境でしょうね。
・ただこの記事に寄れば「テレ朝、テレ東の好調」もあまり素直には喜べない。というのもテレ朝やテレ東が「何らかの分析によって戦略を組み立てそれが当たった」わけではなく、「結果的に当たってるに過ぎないから」です。この好調がどこまで持続するか保障がないと言う事でしょう。


朝鮮人追悼碑 拉致被害者救う会・群馬が設置許可取り消し求め請願へ 
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140503/kor14050313310006-n1.htm

 群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」に設置された朝鮮人追悼碑をめぐり、北朝鮮拉致被害者・家族の支援組織「救う会・群馬」が、県議会に設置許可の取り消しを求める請願書を近く提出することが2日、分かった。
 碑を設置した「追悼碑を守る会」の共同代表を務める民主党角田義一参院副議長が、在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)の関連団体から寄付を受けていたことなどが提出を決めた理由としている。

ばかばかしくて話にならないですね。
何もこの追悼碑に賛成してるのは総連だけでも角田氏だけでもない。おそらく民団だって賛成してるでしょう。
もちろんこんなコトしても拉致の解決に役立たない。
結局、巣くう会とは「日本の戦前の負の歴史を隠蔽しようとする」ただの極右団体だったのだと言う事が改めて明確になっただけです。
よくもまあこんなふざけた団体と家族会もつきあえるモンです。いい加減縁切りした方がいい。「朝鮮人追悼碑に反対する極右団体・巣くう会と癒着して恥じない団体が家族会」と言われても文句は言えないでしょう。巣くう会批判に踏み切った蓮池透氏を見習えと言いたい。


■【産経抄】5月3日
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140503/chn14050303250002-n1.htm
小生はこの産経コラムに次のブクマをつけました。

アホか, また産経か, その発想はなかった
テロリスト*8を顕彰するような指導者*9が「ウイグルテロとの戦い」を叫んでみても説得力はまるでない。テロ対策の第一歩は、ハルビンの安記念館閉鎖である

まあ、この文章で一番酷いのがここですね。
「安記念館とウイグルテロ」と全く関係ない事は産経だってわかってるでしょう。こんなのは安に対してもウイグルに対しても失礼です。大体この産経の理屈だと「韓国政府のせいでウイグルテロが起こった」と言ってるのも同然で韓国政府にも失礼でしょう。
そもそも憲法記念日のコラムが憲法問題ではなく中韓への悪口雑言と言う事が変ですが。

憲法の通りなら北京の新聞やテレビは、新疆ウイグル自治区で起きた爆発事件を大々的に報じただろうし、温州市で完成間近のキリスト教会が破壊されることはなかっただろうが。

 前者はともかく、後者については「取り壊し理由は違法建築」なので信教の自由は関係ありません。
 日本だって違法建築なら取り壊されるんじゃないか。
 産経が「違法建築とは言いがかりである、本当は宗教弾圧だ」と証明できるのなら話は別ですがたぶん証明できないでしょうね。「中国非難なら裏も取らずに飛びつく」のが産経でしょう。

*1:アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、日本

*2:小泉内閣官房副長官官房長官自民党幹事長(小泉総裁時代)を経て首相

*3:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*4:小泉内閣文科副大臣、第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相などを経て現在、第二次安倍内閣外相

*5:中曽根内閣文相、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*6:母親でなくて乳母がついて、「太陽が照ればすぐ日傘を出すような甘やかし」という意味の表現

*7:プーチンエリツィン政権で大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相とステップアップして、エリツィンに後継指名されて大統領に就任しました。また、いいことだとは思いませんが、大統領任期制限逃れの「メドベージェフを大統領にして自分は首相→その次に自分がまた大統領」というのもなかなかの辣腕ぶりです。「プーチン首相更迭などの裏切りをしない人物」としてメドベージェフを大統領にし、実際に裏切りをやらせなかったというのはさすがたたき上げというべきなんでしょう。

*8:前韓国統監・伊藤博文を暗殺した安重根のこと

*9:習近平・中国国家主席のこと