充実の50冊

kawasusu2005-07-30

朝8時に起きる。朝飯は残りご飯にMさんからいただいた京都の漬物を乗せ、だしをかける。コレがうまいのだ。昨日買った[電気グルーヴスチャダラパー]を聴く。昭和の子ども心が爆発してる感じでイイなあ。深夜ラジオのDJの心無い受け答えを再現してる曲では笑いが止まらなかった。


9時半、牛イチロー先生から電話。旬公に「じゃあ、取材のようなものに行ってくる」と云い置いて出かける。下に降りて、車に乗り込む。今日の「せどりツアー」は、牛センセが運転から、ルートの確認、段取りまで一人でこなしてくれるのだ(というか、他にできるヤツがいない)。最高に優秀なツアーコンダクターなのである。早稲田に出て、セドローくんを拾う。昨夜3時まで飲んでいたとかで、まだ眠そうだ。そのあと西荻窪に行き、〈にわとり文庫〉の前で、大井由紀子さんを拾う。大井さんはこのツアー、すでに2回目だ。コレで今日のメンバーが揃った。これから八王子方面に向かい、この周辺の〈ブックセンターいとう〉を回るのだ。以下、この日あったことを時系列で書いていくと、いつまでも仕事に取り掛かれないので、行った店と買った本のみ書く。物足りないと思うヒトは「古書現世店番日記」(http://d.hatena.ne.jp/sedoro/)を参照されたし。


◎ブックセンターいとう東中野本店
「最初に東中野に行きますから」と牛センセが何度も云うので、西荻窪に行ってからまず東中野ブックオフに行くのだろうか、それがこのツアーの決まりなのだろうか? と思っていたが、八王子の東中野なのだった。そりゃ、そうか。本店は2階建て。エッセイのコーナーで思わぬ拾い物あり。
【買った本】計6冊
和田誠『また、近いうちに』大和書房、500円
植草甚一長新太山名文夫らの人物スケッチ。
五木寛之作品集22 ゴキブリの歌』文藝春秋、300円
→解説は小沢信男さん
山口瞳善の研究』角川文庫、『木彫りの兎』集英社文庫、各150円
その他、マンガ2冊


ブックオフ八王子堀之内店
牛センセが自宅から持ってきた本をココで売り、7000円になった。単行本の均一が充実。刊行年度が古く、状態のいい本がバカスカ見つかる。
【買った本】12冊
五木寛之『デビューのころ』集英社
山内義雄『遠くにありて』毎日新聞社
百目鬼恭三郎『解体新書』文藝春秋
島尾敏雄過ぎゆく時の中で』新潮社
亀和田武『時間街への招待状』光風社出版
『エディター的思考』北宋社
猪野健治『気になる仕事の本 雑誌編集者』実務教育出版
佐賀純一『浅草博徒一代』新潮文庫
ビートたけし『漫才病棟』文春文庫
小林泰彦『アウトドア・ライフ入門』新潮文庫
戸板康二『家元の女弟子』文春文庫、『黒い鳥』集英社文庫
以上、全部105円


ブックオフ八王子片倉店
バーミヤン〉での昼飯(牛センセのおごり)のあと、最初に行った店。まあまあ。
【買った本】4冊
今東光『青春放浪』光文社
文藝春秋編『無名時代の私』文春文庫
ほか2冊。いずれも105円


この辺りまで来ると、動体視力に「古本」がインプットされているから、いとうやブックオフ以外の古本屋もよく見つかる。いとう元八王子店に行く途中、リサイクルショップみたいな店の外に大きな均一台を発見。看板は〈さわやか記念文庫〉とあった。同乗者に告げるも、「なんなんすか、その『記念』は」と云われてしまう。でも、あとで検索したら、やっぱりこの名前だったのだ。次回のツアー(もう行く気になってる)では、この店に寄ることを提案しよう。


◎ブックセンターいとう元八王子店
この店はセドローくんがお気に入りだという。1階も2階も奥は家具売り場とつながっているヘンなつくり。他の店に較べると狭いが、たしかに品揃えはオモシロイ。本店でもここでもいとうチェーンのカードの有無を訊かれなかったので、「カードをつくりたいんだけど」と云うと、9月にシステム改正するのでそれまで新規加入は断っているとのこと。牛センセもセドローくんも、持っているカードを満杯にしたうえに、新しいのを更新しているのに、残念である。
【買った本】7冊
田村隆一『対談 砂上の会話』実業之日本社、500円
野坂昭如平野威馬雄鮎川信夫らとの対談
池内紀『温泉旅日記』徳間文庫、250円
海渡英祐『閉塞回路』集英社文庫、150円
海渡英祐『事件は場所を選ばない』徳間文庫、200円
永六輔『街=父と子』角川文庫、150円
ほか1冊


◎ブックセンターいとう立川羽衣店
規模としてはココはかなり大きい。2階には少ないがクロっぽい本もある。1階には文庫がかなり揃っている。レジ前には駄菓子やバリの民芸品など謎の販売物がある。ぼく以外の3人は本と一緒に駄菓子を買っていた。店を出るころには、外は暗くなっていた。この時点で7時回っていた。
【買った本】7冊
藤木TDC『醜聞聖書』洋泉社、700円
→なぜかドコでも見つからず、探していた本。
陳舜臣『桃源遥かなり』ケイブンシャ文庫、260円
五木寛之『深夜草紙3』文春文庫、100円
→「わが喫茶店前史」という文章あり
中井英夫『人形たちの夜』講談社文庫、100円
牛次郎『小説 包丁人味平光文社文庫、190円
牛イチロー先生に敬意を表して
ほかマンガ2冊


◎ブックセンターいとう桜ヶ丘店
ココは3階建て。さすがに疲れてきたし、現金も残り少ないので買わずにおこうと思ったら、大物が。クレジットカードで買う。セドローくんが杉村春子のサイン本を発掘。
【買った本】4冊
海野弘カリフォルニア・オデッセイ『LAハードボイルド』『ハリウッド幻影工場』『めまいの街』『ハイウェイの誘惑』グリーンアロー出版社、各1000円


ブックオフ聖蹟桜ヶ丘
疲れた、もう座りたいと思いつつ、それでも全部見てしまう。
【買った本】10冊
真崎・守『ジロがゆく』第1、2巻、三崎書房
奥成達『怪談の仕掛け人』ワニの本
藤原審彌『恐喝こそわが人生』上・下、角川文庫
海渡英祐『忍びよる影』徳間文庫、『仮面の告発』『罠の中の八人』集英社文庫
河野典生『殺人群集』徳間文庫
以上105円 ほか1冊


ぼくが買ったのは、ピッタリ50冊。それでも金額は1万ちょっとだったから、いかに安いか判るだろう。最近本を処分したから、買うのをセーブしたので、以前だったらこの倍ぐらい買ってしまったかもしれない。たしかに〈いとう〉もスゴイのだが、この周囲のブックオフもかなり充実しているのだ。車の後部に、各自のいとうのオレンジの袋とブックオフの黄色い袋が積まれている。色とりどりで、まあキレイ(詩的な表現)。というか、すさまじい光景。4人の合計は200冊近く行っているのではないか。


そこから三鷹まで戻り、〈華屋与兵衛〉で晩飯。みんな鰻を食べる。ぼく一人、瓶ビールを飲む。西荻窪で大井さん、早稲田でセドローくんを落とし、西日暮里には11時半に到着。牛センセは「今日は12時前に帰れる」と喜んでいた。一日のツアコン、お疲れ様でした。ウチに入ると、旬公が眠っていたので、急いで古本の袋を置くに運び込む。ガサガサ云うから、スグにバレたけど。こないだ本を処分したとき、「もう床に本は置かない」と誓ったのに、当面の置き場所がなく、早くも床に置いてしまった。腰が痛くなったので、布団を敷いて1時前に眠る。