おたふく風邪

おたふく風邪 おたふくかぜ サイエンス

  • 概説

ムンプスウイルス感染により起こる病気です。ムンプスウイルス麻疹ウイルスと同じくパラミクソウイルス属に分類されます。ムンプスウイルスは世界中に分布しています。流行は通年ですが、冬から春先にかけて増加する傾向があります。現在の罹患者の大部分は予防接種未接種者です。潜伏期は14〜24日くらいです。罹患者との直接の接触や飛沫・唾液などから感染します。不顕性感染が罹患者の1/3くらいと多いのも特徴で、このため感染経路が不明のこともよくあります。ムンプスウイルスははじめ気道に感染し、このあと血液を介して全身に運ばれ、唾液腺などに感染を起こします。


  • 症状

 多くの場合、頬の痛みと腫れで発病に気づきます。発病前に首の痛みや頭痛を訴えることが時にあります。頬の腫れは1〜3日でピークに達し、その後3〜7日くらいでひいていきます。片側の頬部(耳下腺部)の腫れに気づいてから、1〜2日後に反対側が腫れてくることはよくあります。中には一方の耳下腺の腫れだけで終わることもあります。耳下腺が腫れている時に発熱を伴うこともありますが、多くの場合軽い発熱で40℃を超えることはあまりありません。5人に1人くらいは発熱がみられません。発疹は通常みられません。おたふくかぜの罹患時におよそ20人に1人くらいの割合で髄膜炎(ムンプス髄膜炎)を発症します。主な症状は激しい頭痛と嘔吐、発熱です。大部分は後遺症もなく治っていきますが、入院は通常必要となります。まれですが、中には死亡や難聴などの後遺症がみられることもあります。睾丸炎は思春期以降の男性罹患者に比較的多く(20〜30%)みられます。発熱、下腹部痛、睾丸の発赤、腫れ、痛みが主な症状です。


  • 診断

 通常は特徴的な頬部(耳下腺部)の腫脹と痛みがあれば診断できます。地域でおたふくかぜの流行がみられているとの情報があればより確実です。耳下腺炎による血液中および尿中のアミラーゼという酵素の濃度の上昇がみられます。診断の補助として尿検査が行われることがあります。診断を確定する必要がある場合は採血し、血清中の抗ムンプスウイルスIgM抗体の上昇、または病初期と2週間後とで比較した抗ムンプスウイルスIgG抗体の4倍以上の上昇を証明します。咽頭ぬぐい液や尿、髄液などよりウイルス分離によりムンプスウイルス証明するという方法もありますが、結果を得るまでに時間を要します。

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