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ローヤルゼリー

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ろーやるぜりー

Royal Jelly
「ロイヤルゼリー」とも。健康食品の一。関税上の扱いは「治療用又は予防用に調製したその他の人又は動物の物質」

もともとはミツバチの作る、女王蜂専用の食料である。


哲学者アリストテレス(B.C.384〜B.C.322)は、その著書「動物誌」の中でローヤルゼリーについてこう記しています。
はちみつとは色も味覚も異なるこのクリーム状の液体の中に浮かぶミツバチの幼虫が女王蜂へと成長することを知ったアリストテレスは、ローヤルゼリーそのものが女王蜂を生み出す魔法の鍵だと理解していました。
古代ギリシャ時代から知られていたローヤルゼリーの有用性が改めて認識され始めたのは19世紀頃のこと。そして健康食品として、ローヤルゼリーが世界中で注目されるようになったのは1950年代のことでした。
その有用性とともに神秘性が語られるローヤルゼリーですが、その正体はといえば女王蜂が生涯にわたって食べる唯一無二の食物です。そのため、ローヤルゼリーは「王乳」とも呼ばれています。
同じ有精卵から孵化したミツバチの幼虫は、初期の3日間くらいは、どの幼虫にもこのローヤルゼリーが与えられます。その後は女王蜂となる幼虫のみがこのローヤルゼリーを与えられ、働き蜂となる幼虫たちは花粉とはちみつが混ぜられた餌で育てられます。王台とよばれる部屋でたっぷりローヤルゼリーだけを食べることによって、女王蜂は働き蜂にはないさまざまな特徴と能力をもちます。たとえば体の大きさは働き蜂の約2〜3倍となり、寿命も働き蜂の1ヶ月余りに対して、3〜4年と30〜40倍も長生きし、毎日約1500〜2000個の卵を産み続けることができます。同じメスのミツバチでありながら働き蜂には普通は産卵能力はなく、生命の営みというミツバチの社会を支える重要な能力は女王蜂のみに与えられるのです。
この驚異的な生命力を支えている栄養の宝庫がローヤルゼリーです。
ローヤルゼリーの原料となるのは、ミツバチが花から集めてきた花粉です。それを働き蜂が体内で消化・分解・生成し、下咽頭腺と大あご腺から分泌したものがローヤルゼリーです。
自然の状態では、ミツバチが次世代の女王蜂を誕生させる春から夏にかけて、女王蜂となる幼虫用の特別室がいくつも作られます。この特別室は王台と呼ばれ、大きさ、形ともにピーナツの殻によく似ています。王台に産み付けられた卵が孵化すると、働き蜂はその幼虫の餌としてローヤルゼリーを分泌し、その王台の中に貯めていきます。
こうして生成される生のローヤルゼリーは、舌を刺すような酸味のある乳白色のクリーム状の物質です。
このようにローヤルゼリーは、生成の過程や成分など、はちみつとは全く異質のものです。
ローヤルゼリーは、自然の状態ではとてもわずかしか生産できません。
そこで養蜂家はミツバチの習性を利用してできるだけ多くのローヤルゼリーを採集する技術を生み出しました。それはミツバチの巣を女王蜂がいない状態にすると、働き蜂の幼虫(孵化後3日以内)にローヤルゼリーを与えて、新しい女王蜂を育てるという習性を利用したものです。まず、隔王板と呼ぶ道具を使い、巣箱の中に女王蜂と隔離された場所を作ります。次に自然の王台を模したプラスチック製の小さな人工王台の中に孵化したばかりの働き蜂の幼虫を移し入れます。そして女王蜂と隔離されたところに人工王台の枠を挿し入れ、女王蜂として育てさせるのです。人工王台にローヤルゼリーが貯まるまでの時間は48〜72時間。そこで、幼虫を取り除きローヤル ゼリーを採取します。一つの王台で採取できるローヤルゼリーの量は約300mgというごくわずかな量。
巣箱1箱につき50〜60個の人工王台をセットすると、1箱で1回あたりの生ローヤルゼリーの生産量はわずか15g程度です。
体重わずか0.1gにも満たないミツバチが生産するローヤルゼリーの量はとても少なく貴重なものといえるでしょう。
ローヤルゼリーには、3大栄養素であるタンパク質・炭水化物・脂質をはじめとして、人の健康に不可欠な必須アミノ酸(※)のすべてを含む22種のアミノ酸を主体に、各種ビタミン・ミネラルなどを豊富にバランスよく含んでいます。
特有成分として、天然の物質としてはローヤルゼリーにしか存在しない「10-ハイドロキシ-δ-2-デセン酸」(以下デセン酸)は、近年、その有用性で注目されています。各種ビタミン類については、ビタミンCを除いてはちみつの数十倍も含有しています。なかでも「美容のビタミン」といわれているパントテン酸の含有比率は食品の中では群を抜いています。
このほかに、アセチルコリンが他の食品に比べて多く含まれています。このようにローヤルゼリーは、40種類以上もの栄養素をバランス良く含んだパーフェクトフードなのです。

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