文藝春秋の新刊 2000・12 「夜の音」 ©大高郁子

石油ストーブですね。最近珍しい。ストーブでお湯を沸かすなんてもっと珍しい。とはいえ十年一昔のイラストですしね。我が家も父が死んだ昨年から、ガスファンヒーターやら炎のない暖房生活に全面的に移行した。台所もそうしたかったのだけれど曲折があって、姪のところにIHヒーターは贈られました。
暗い部屋に雪明り。ストーブの暖色も青紫に覆われ風景はゆったりと沈殿してゆく。たしかにわたしも冬の夜の音を、何度も聞いている。

 新潮文庫 2008年1月チラシの紹介

新潮文庫 今月の新刊 08.1

雪の中を帰ってゆく少女
林真理子
アッコちゃんの時代

宮本輝
草原の椅子 上・下

上橋菜穂子
夢の守り人 路傍の石文学賞 巌谷小波文芸賞

渡辺淳一
あとの祭り 指の値段

黒柳徹子
不思議の国のトットちゃん

大崎善生
ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶

鈴木光司
アイズ

米村圭吾
真田手毬歌

服部真澄
海国記 上・下

岩井志麻子
楽園に酷似した男

中村文則
土の中の子供 芥川賞受賞

森まゆみ
彰義隊異聞

ジョン・グリジャム 白石朗=訳
最後の陪審員 上・下

ポール・オースター 柴田元幸=訳
トゥルー・ストーリーズ

 人生で二度読む本 新潮文庫名作復刊シリーズ
吉行淳之介
美少女
小島信夫
アメリカン・スクール


1月のヨンダ?
注目の新刊「本の雑誌」「ダ・ヴィンチ」が選んだ今年のベスト1!
上橋菜穂子精霊の守り人」が堂々二冠に輝きました。
注目の新刊 “バブル”って、こんなだったんだ!林真理子 「アッコちゃんの時代」
テレビ・映画化作品

新潮新書 12月の新刊

新潮文庫チラシ07年12月は《こちら》にあります

「本の雑誌」が選んだ…といわれてもなあ

おすすめ文庫王国2007年度版

おすすめ文庫王国2007年度版

1ヶ月くらい前に「本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国 2007」を購入

したんだけれど巻頭の「ベストテン」。レコード大賞紅白歌合戦ほどの権威もデータもない選考方式みたい。ということは上橋菜穂子さんの1位をことほぐ新潮文庫のチラシも誉め殺しみたいな気持ちになるなあ。

(前略)…
顧問 そんなところで2007年のベストテンを決めていこうか。どうする?
営A 顧問の推薦は?
顧問 オレはオブザーバーだからいいよ。
営A そんなこといって、また誘導するんでしょ。
顧問 おまえは疑ぐり深いんだよ。
発人 じゃあベスト1から決めていこうか。
顧問 ベスト1は誰がみても、上橋菜穂子精霊の守り人」で決まりだよね。
営A ほら、もう誘導してる。
顧問 違うよ。浜本と松村の推薦だよ。オレはただ、2票入っているよと注意を喚起しただけ。
営B 「穴」も2票はいってますね。浜本さんと村松の2票。
顧問 おお、あれもなかなかよかったな。今頃文庫になったのかい?
営A それ、小説?
顧問 ヤングアダルト小説だね。
編A 不運無双の主人公がみせる痛快大逆転が最高です。
営A 何だかよく分からないなあ。
発人 「穴」は10位だな。
編B えっ、10位から決めるんですか。
顧問 1位はもう決まっているから。
編B いつ決まったんですか。
発人 だから「精霊の守り人」だよ。
編Bあっ、そうなんですか。
営B 上半期のベスト1が上橋菜穂子さんの「獣の奏者」でしたね。文庫のベスト1も同じ著者でいいんですか。
顧問 2007年は上橋菜穂子の年であったということでいいんじゃないか。
…(後略)

という具合の選考会でした。顧問とはあの釜焚き目黒氏、発人は浜本茂ですって、浜本茂って知らないなあ。怪しい探検隊のドレイとかででてきた人でしょうか。「本の雑誌」のURLは以下に。

http://www.webdokusho.com/

1位・10位以外をここに並べるのも面倒なので、興味のある方は「本の雑誌」WEBでみつけてください。年に100冊以上新刊文庫を購入するわたしですが、ベストテンとかぶったのは乾くるみイニシエーション・ラブ」一冊のみ。それに関してはわたし、こちらでダウト出したしなあ。
ただしこのベストテン、チラシ蒐集関連での7社以外が5冊もあって…つまり7社から5冊しか選ばれてなく(新潮2冊、文春2冊、角川1冊)それもちょっと困るものが。というわけで「精霊の守り人」購入しなかったわたしなのだが、新潮文庫も最近、購入するものに外れが続きすこし苦しい。
とはいえこの雑誌、文庫版元番付編成会議、売れ筋ランキングなど、楽しく読みました。ジュンク堂丸善の文庫売り上げベストが乗ってるんだが、どちらの書店もベスト10に07年刊行作品が入ってないんだ。ジュンク堂11位が「幻夜丸善11位が「憑神」で、ようやく昨年刊行。丸善の1位はどういうことだか酒井順子の「煩悩カフェ」で、店員さんがPOPつけたらこうなったんだそうで、いやあ、文庫ってそういう売り方買い方なものなんでしょうかねと、あらためて驚く。

(前略)…
 一つ悔しかったのはこれ。26位『生きる力がつく「孤独力」』。
 何でですか。
これね、最近なんか売りたいと思って、ちびちび目立つところに置いてたんですよ。そしたら丸善さんでこんな上位にいる。そうか、すでにこんな売れている本だったんだって。
 これは営業さんの力ですよ。お店に合いますよって提案されて、それで置いてみたら売れちゃった。
 そうなんですか。実は僕もいま営業さんに言われて仕掛けている「モルヒネ」がそんな感じです。あれ?もしかして「モルヒネ」の帯にあるMさんって、Mさんですか。あっ、そうなんや。これ激売れしてます。ありがとうございます。
 売れましたねえ。読んで面白かったし、これは売れるんじゃないかって、POP立てたんです。「うずくまって泣きました」って。そうしたらバーンと売れちゃった。
…(後略)

書店員のお仕事、なんだか楽しそうですね。でもさ、書店って売りたくもないものの方が愕然とするほど多く置いてあるものなんですよね。参考書なんぞにもPOPたててんのかな。

ってわけで、わたしの文庫関連ニュースベスト10(って、10もあるかな?)

  1. 集英社文庫NEWS(フリーペーパー)の興亡。
  2. 創元SF文庫リニューアル 80年代SF再評価
  3. 知人や親族の幾人かが東野圭吾の「手紙」をもっていて、たいそう驚く。
  4. 光文社文庫の表紙カバー変更。─集英社も変更したけどあちらはインパクトなかった
  5. 講談社文庫のチラシが大幅に減る。─年末、時代劇フェアのチラシがあったが買いそびれる
  6. ウェッジ文庫 ゴマ文庫創刊。─ゴマ文庫は創刊3ヶ月目でチラシ消滅。ウェッジ文庫は続刊をみない
  7. 新潟にジュンク堂進出、紀伊国屋はリニューアル。
  8. 中公文庫チラシ、再登場も短命で終了。
  9. 岩波文庫創刊80周年、記念に復刻版出る。
  10. 新潮文庫の小冊子「山本周五郎の本」、講談社文庫のリーフレット東野圭吾全文庫目録」、光文社文庫の小冊子「時代を斬る 佐伯泰英長編時代小説」などのPR誌がすてき。

と、無理やりのベスト10でした。読んだ書物のベスト10もいきたいけれど、ちょっと度忘れぎみでエントリさえおぼつかないぞ。