Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

[インタビュー]アートプロジェクトで社会の価値転換を迫る…北川フラム - 情報誌「ネルシス」vol.5|TOEX Nelsis-Net

 北川氏は、新潟の高田市で貸本屋を営み、良寛研究でも有名な故・北川省一の長男として生まれる。父・省一は、良寛から学んだ生活信条を「貧道」と呼び、生涯の道標とした。作家の中野重治や椎名隣三らと交友を結び、復員後、農民・労働組合運動に専念。息子にノルウェー語で「前進」を意味する語「フラム」を名付ける。
 そんな父親のもとに育ったフラム青年は18歳のとき新潟から上京。戦後の日本をめぐるさまざまな思想が学生運動の盛り上がりとともに交わされるなかで、谷川雁埴谷雄高吉本隆明らの文化運動に強く影響されながら新しいコミュニティのあり方を模索する。特に谷川雁の「工作者宣言」に感動し、「ぬえのような人間でなければ媒介者にはなれない」という谷川の言葉を胸に、東京芸術大学入学後、美術の抱える問題を明治以後の日本の問題ととらえるようになる。
 そして昨年、故郷である新潟の中山間地域を舞台に取り組んだ「大地の芸術祭」を通して北川氏は「かつて媒介者としての覚悟を語った谷川雁の限界を悟り、妻有のプロジェクトがそれを超えると確信している」と語った。

http://www.nelsis.jp/nelsis/vol5/p18.htm


◇ 情報誌「ネルシス」vol.5 2004|TOEX Nelsis-Net

01 ストーリー・オブ・ベルリン〜都市の博覧会〜


02 [特集]まちに息づくアート …21世紀のランドスケープエコロジー


04 街とアートの半世紀…竹田直樹

14 [インタビュー]アートで都市空間を彩る…南條史生

18 [インタビュー]アートプロジェクトで社会の価値転換を迫る…北川フラム

22 アートシティ・ベルリン…シヲバラタク

26 パリの新しい祭り「白夜:ヌイ・ブランシュ」…岡井有佳

http://www.nelsis.jp/nelsis/vol5/top.htm


>>>「web complex」更新  …………  「現場」研究会討議記録 2006年9月22日
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070218#p7

『谷川雁 KAWADE道の手帖 詩人思想家、復活』

この時代にこそ読まれなければならない戦後思想の真の巨人・谷川雁。そのあまりに先駆的すぎた思想と生の軌跡を若い論者が検証する。吉本隆明、長谷川龍生、岩崎稔酒井隆史他。

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309740263
http://www.amazon.co.jp/dp/430974026X
http://www.bk1.jp/product/03092537
ことし3月に発売されていました。
さらに、5月にはセレクションが2冊。


谷川雁谷川雁セレクション〈1〉工作者の論理と背理』(編:岩崎稔、米谷匡史 日本経済評論社
http://www.amazon.co.jp/dp/4818820008


谷川雁谷川雁セレクション〈2〉原点の幻視者』(編:岩崎稔、米谷匡史 日本経済評論社
http://www.amazon.co.jp/dp/4818820016

最近の2冊と往年の1冊

毛利嘉孝『ストリートの思想―転換期としての1990年代』(NHKブックス

1990年代に何が起きたのか?思想は今や、大学からストリートへ飛び出した!ホームレスや外国人労働者の新しい支援運動がスタートした90年代。イラク戦争反対デモからフリーターの闘争までの、様々な運動が活発になったゼロ年代。音楽やダンスなどのサブカルチャーや「カルチュラル・スタディーズ」などの海外思想と結びついて成立した、新しい政治運動の淵源をさぐる。インディーズ文化など80年代の伏流が、90年代の「知の地殻変動」を経て、ゼロ年代に結実するまでの流れを追う異色の思想史。

http://www.amazon.co.jp/dp/4140911395


佐々木敦『ニッポンの思想』(講談社現代新書

内容紹介
これまでになかった日本の現代思想史が登場!

浅田彰中沢新一蓮實重彦柄谷行人から、福田和也大塚英志宮台真司、そして東浩紀まで──。
思想家たちの論点・対立点を示す試み。

内容(「BOOK」データベースより)
クラインの壺、脱領土化、天皇論、「悪い場所」論、物語消費、郵便的、動物化―この30年の論壇を読み直す試み。

http://www.amazon.co.jp/dp/4062880091


丸山真男『日本の思想』(岩波新書

現代日本の思想が当面する問題は何か。その日本的特質はどこにあり、何に由来するものなのか。日本人の内面生活における思想の入りこみかた、それらの相互関係を構造的な視角から追究していくことによって、新しい時代の思想を創造するために、いかなる方法意識が必要であるかを問う。日本の思想のありかたを浮き彫りにした文明論的考察。

http://www.amazon.co.jp/dp/400412039X


>>>栗原裕一郎さん(id:ykurihara)のTwitterより

◇ 『ニッポンの思想』と『ストリートの思想』 - 東浩紀の渦状言論 はてな避難版

ちなみに、基本的には前者は東浩紀派(?)肯定の本、後者は否定の本です。毛利氏は同書の冒頭で「ストリートの思想」と「オタク的な思想」を対比し、後者をはっきりと批判するところから議論を始めています。

この話題、ブログでやるとすぐ消費されてしまうので、週刊朝日文學界の連載で続けようと思います。

http://d.hatena.ne.jp/hazuma/20090723/1248295457

http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090723#p4