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2007年08月25日

[]伊藤計劃先生&円城塔先生トークショー 22:38

70年代生まれの私としては、同世代の話がとても面白かった。通過儀礼とか洗礼の受け方とか。俺はFM-7派でしたよ。そっか、機種依存性なんだw

どちらの作品も終末観、諦念が強い、というところが個人的に山場だった。俺も話を考えててもそういう話しか思い浮かばなかったりする。円城さんによるとこれは70年代生まれだけの考え方みたい。下の世代はもっとポジティブだったりするらしい。これまで、こんな不毛な物語ばっか再生産しても如何なものか、と思っていたけど、書きたいもの書きゃいいんだ、と少し救われたような気分になった。同時に、この不毛さから逃れられないのかという欝な気持ちにもなった。

以下はメモです。二人の話があっちこっち飛ぶのでメモしきれていません。以下に書かれていることは、発言者の意図を正しく反映していない可能性が高いのでその点ご留意ください。

2007/08/25
SFファンによる、SFファンの為の夢の祭典「伊藤計劃先生&円城塔先生トークショー&サイン会」@三省堂神保町店

以下Self Referential Engineは、SREということで。
SREには何が書いているのか後で、ホワイトボードで説明してもらう。

SREと虐殺器官読んでいない人? と会場に聞くが、みんな空気を読んで手をあげない。
ということでネタバレ全開で。

円城:
SFマガジンでインタビューがあったのでどういう人かわかっていると思う。
見たまま。
円城さん72年、伊藤さん74年
小川さん冲方さんとも同世代
SFとの接し方は?

伊藤:
SFと意識しないで読んだのは小松さん、映画とかアニメとか、首都消失を小中学校のとき。

円城:
北海道新聞に連載されていたのを読んでいた
話が進まないなぁと思いながら読んでいた。

伊藤:
SFと自覚して読んでいたのはニューロマンサー
小学校ではあと筒井さん
小学校の学級文庫で。

円城:
サーバーパンク読めなかった。
文体もつらかったし、あと内容もなんだかわからなかった
小中学でサイバーバンク読む?
AKIRAとか読む前だった

伊藤:
「虐殺器官」は最初、サイバーパンクな文体で書いてた。でもやめた。

円城
中学ではファンタジーを読んでいた
そのあと、これというのは。アシモフは読んだけど。
ヴァーリーとか変なのを読んでいるうちにSFにひっかかるようになった
ファンタジーは指輪とか。
中学生だと読むのつらいでしょう?
タバコとか政治とかとばして戦争のところだけなら読める

ロードスとかも読んでいたのでラノベにも拒否感はない

伊藤:
TRPGはやってたけどラノベにはいかなかった

円城:
TRPGとからラノベとか、ちょうど出始めだった

伊藤:
ニューロマンサーのあとがき読んだら、バロウズとかヴァーリーとかピンチョンとか、
かっこつけたいのでそういう方向に行って、文学っぽいほうをがんばってよんでた。
最初わからなかったけど10回読むと気持ちよくなってきた。
ニューロマンサーしか読むものがない
三部作ぐらいはよんだ?
カウントゼロも買ったのはずっとあとだった

国内は?
雪風は読んだ。でもほとんどは海外。

円城:
友達に国内SF読みはいたけど薦められなかった。おまえはいいといわれて
大学に入ってから
神林の影響はとても大きい

伊藤:
大原さんとか
ハイブリッドチャイルド
ビーナスシティ

どちらかというとMGSとか
PC88とかMSXとか
むしろMGSの小島さんメイン。でもそれとSFはからめてみなかった

円城:
最近はゲーム全然やらない
中学生のときPCがあったので一番最初の大戦略をやってた。
すべて歩兵で押す。歩兵の無限増殖
持っていたのはFM-7
伊藤先生との違いはそこ?
そこで芸風が分かれた?
内容の差は機種依存性?

内容の差とは具体的には?
FM-NEW7とかわけわからない。その辺とか。
TOWNとかX68には走らなかった?
そのころお金がなかった

二人とも終末観、諦念が強い
一般的なのかと思ったけど、これは70年代生まれだけの考え方みたい

丁度娯楽の幅が狭かった?
滅ぼすしかなかった?

他の世代は割りと明るく生きているらしい
他の世代は話しても滅ぼす方向にいかない
多少他人を傷つけてもかまわない。。

そのへんてどういうところから来ているんだろう?
伊藤:
滅ぼそうというより、滅びちゃったね、て感じ。

円城:
ごく自然ななりゆきとして。
ノストラダムスのせいか?

円城:
ガンダムは直接は見ていない。

伊藤:
ぼくもガンダムはみていない
オーガスみていた。
オーガスのがえろかった

円城:
あの頃いやーな終わり方の作品が多かった。Zとか。
見ていない二人がガンダムを語っているけどw
でもガンダムも世界が終わる形じゃない。
ポジティブ。コロニー作ったり、進化したり。

二人とも宇宙に出れないからか?
虐殺宇宙てのはどうだろうww
エリスンがやってなかったけ?

二人とも明るい進歩を信じていない。

創作の方は?
伊藤:
初めて書いた小説。同人はやっていた。
マンガ描いていた。
007メタルギアでも

小松左京賞に応募したのは?
たまたま目に入ったから
GWあけぐらいにたまたま雑誌で立ち読みしてみた。
もとにあった原稿はあった。最初2ページぐらいしかないけど。
小島さんのゲームの続編のSSを書こうと思っていた。
オチが思いつかなくて放置していた。
賞の体裁をみて決めた。
20日ぐらいで書いた。なんで書けたかわからない。
その後かけなくなって大変なことに。

円城:
一つ書いて、2、3日置いて。一つ書いて。
最初前半しかなくて、どうしようと思っていて。
小松賞、で倍あればいい、というので書いた。
ユニット単位だったのでそういう書き方が出来たl。
まずかったらとりかえる、てこともできる?
実際、0版から一つ入れ替えた。
版を重ねるごとに一つ章を入れ替える、というのはどうだろうw

オフザベースボールに入れられる?
いろいろ差し替えないといけない。
そのぐらいのフレーミングはしている

伊藤:
5部構成で、一つの部ごとに時間が空いているけど、きっと主人公は
その間も世界を飛び回っていたんだよね?
実際、最初インド篇はなかった。
これも、版を重ねるごとに場所が増えていく、というのはどうだろうw

特殊工作の主人公だけどナイーブなのは?
まずああいう人が書きたかった。
軍ものが好きだけどそれだけではダメなのはわかっていた。
主人公がナイーブすぎという意見があるけど、それはステレオタイプに
とらわれてるからかも。
特殊工作員自殺率は結構高い。あとイラクやベトナムなどの帰還兵も。
本とかにある体験記はみんなタフだけど、そうじゃないのもあるだろう、
と心積もりで書き始めた。
繊細すぎる、という意見があったのがびっくり。
がさつなアメリカ人像は、ウィリアムズが担当している。
がさつな人を書くのは難しくない?
ただの殺人鬼とかになりそう。きっと感情移入できない。
途中まで、三人称で5ページ書いたらただの人殺しになってた。
のでバイアスをかけた。
暗殺部隊でがさつだと話続かないよね。

円城:
SREの登場人物はみんながさつ。内面がない。そもそも人が出てこない。
人間が描けてないでなくて、人間でない。
小松先生には申し訳ないことにw
どっちかというとファーブル昆虫記に近い。
虫もがさつとか繊細とかない。
アリとキリギリス、あれはどっちが繊細?
キリギリスかアリかという2分法がよくないか?

伊藤:
近未来、虐殺言語というアイデア。どっちが書きたかった?
軍事ネタだけではもたないというのがあった。
つまり軍事が先だったということかも。
世界中で虐殺が起こっている、というアイデアは最初にあったが、
やり方は思い浮かばなかった。
途中で落とし込んでいって、あとで前を書き直した。

円城:
「虐殺器官」で一番驚いたのは映像的、
2番目に驚いたのは、この知識の広さは何だろう、ということ
同世代ぐらいでこういう知識の人はいるけど、
もう少し若い人たちは、そういうのを興味がないように見える。
手広く集めることに興味がないみたい。。
どうやって知識を集めたの?

伊藤:
ブログ書いていると、アンテナとかに集まってくる。
ブログ界隈であったネタそのままだよね、という感想があったけど、それはその通り。
ラッキーだったのはそれぞれのねたがリンクしやすかったということ。
ベネットとかピンカーとかそこから経済の話につながるよね、とか。
多分別のねたを使ってたらこんなに広がらなかった。

円城:
ネタは?
ない。
ばらばらにしないとかけなかった。
続き物だと苦戦した。
長編は?
途中であきるので書けない。

虐殺は700枚
SREは400枚

伊藤:
部分けしたのが作業上に楽にした。最初は部ごとに完結させようと思ったけど、
短編書く力量はないので、微妙にこぼした形で次すすめる、という形になっている。

連作短編ぽい色はある。
あと映画好き、映画的な場面単位で考えるくせがある。
小説のような、だらだらと繋がるのが書けない。
一つの場面に一つのことを語る、とう思考。
映画を見始めたのは?ものすごい見ているよね?

円城:
最初に見たのは、さよならジュピター、それかゴジラ
自分から映画見始めたのは大学

伊藤:
最初はアンタッチャブル。中学1年か2年か
沢山見るようになったのは大学に入ってから。
武蔵美の映像学科だった。CGとかアニメとか。勉強上見るようになった。
自分たちで撮ったりも。コンテも。
ブログの映画評も創り手からの評だけど?
意識してそう書いている。
観客からの視点で書くと面白くない。自分が好きなブロガーたちにならって。

円城さんはブログは書かない?
毎日渋い詩なのかギャグなのか。
お父さんとはサーバ別にしてよね、とか何?

円城:
ブログですよ。
毎日更新するという建前だと。
何のために書いているの?
人間描けてないよね。
日常生活ですよ
じゃないよね?
好みのタイプ:自転車を盗まない人が好き
大学にいたころ、もう少しちゃんと日記書いていた。
過去と軋轢がでたりするので。
なるべく絡みづらいようにしている。
勝つことが前提にしている?
割と勝負にこだわる
ルールを明らかにしない
すべて自作自演
それはSREぽい?
そうかも。

SRE何書いているかわからない
円城:
僕を含めていただけるとありがたいんだけど。
以下ホワイトボードで説明を始める。ハヤカワで説明したのは、
認識のレイヤーがいくつかあって、一番下に留まっている人、一番上にいるけど
最下層に繋がっている人、そのまま突き抜けちゃっている人がそれぞれいる、
というもの。
一番上のレイヤーにいてそれが巡って一番下にいる、という形を
ずっと考えていた。
結局SREって何?
何でもいいように書かれているのは何なのか。
作者と思って、自分だと思って書いていない。
総体として考えているうちに戻っているもの。
でもそれもうまくいきません、というのが自分の根っこにある

考えている総体はシステム?
システムと呼んでいいのか、からわからない
メタフィクションと言われることが多いけど。
メタと世界は使わない
物はメタとか言い出さない。
何かをメタフィクションとか言う仕組みが何かある。
構造があるように見える何か。
そこに興味がある。単に行っちゃいたくないことがある。

アウトプットしたものが偶然物語になっている、というのが目標。
書くときは、枚数と文字数を聞いてから、割り算して配置をして書き始める。

伊藤:
SREについては、こんなんでましたけど、という感がつよい
結果的に物語に見えるものが書きたい?

円城:
そこは、なんとなくできるものに頼っている
何かでるだろうと思いながら書いている。
何もでないと思ったらやめる。

構造的というのを意識しているのではない。
全く関係ない構成を決めておいて、勝手に書いていって
それっぽく見えるようにする。
型にはめていくようなところがある。
そういうのがないと耐えられない。書くには時間かかるし、
それを支えるためには枠組みが必要。
建築というより装飾的かもしれない。

読者が読むことで何が出てくるというのは?
それができるのが一番いい。

メタフィクションではなく
物理的な行為に何かが出てくるようになるといいのだけど。

親に説教された。自分の言葉に酔ってないか、と言われてけんかした。
インターフェース、界面重視、ということ?
そう。

でも虐殺言語もそうですよね。
虐殺言語について書くか、虐殺言語を書くか。

伊藤さんは虐殺言語を書くのは楽しくない
円城さんは楽しい

虐殺器官
ああなると全世界がほろびるけど、という感想があるけど。
そうかもしれないね、と。
他の読みを許さないように書いているように見えるけど、
意外とそうでもないようにも書いている。

このおっさんがやっていることは成り立つのか、というのを考えると
わからないところが出てくる。
虐殺が起こっているところはテロな人は住み易い。
いろいろ突っ込みどころを残している。
そこを考えていくと本当のところどうなのという余地を残している。

円城
でも、普通に読むと滅びるよね。

伊藤
まあそうかもw
一人称をとったリスクとして語り手を信用してしまうというのがある
どこまで許容するかというのは読み手による

この前釣りバカを見てて、西田敏行という名前が出てこなかったし
ケアレスミス多発する。30になってから。

二人とも打たれ弱いというのが今回の出版で判明した。
お互い相手をほめる形でいこう。
今回のトークショーの話もとてもありがたかった。

mixiで爆縮レンズについて語りあった
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%88%86%E7%B8%AE%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA

落ちる前ぐらいにマイミクになった
一緒に落ちた後で、円城さんから話を貰った。
最終選考の人の名前があがっていたときも名前を出した
###この辺、話が見えなかった。


SFで出てしまってよかったか、と言う話があるけど?
円城:
どちらもたまたまあったし
でもSFにするなと言われたり?
依頼を貰ったらやらせてもらいます
すこし不思議ラブストーリーを頼まれた
普通はひねらない
実は、とかいらない

SFマガジンの来月号に新作をお願いしたけど
日本でラブストーリーという縛り、であれですか?(by ハヤカワの塩沢さん)
中で「恋愛小説を語ろう」とか言ってたけど。
登場人物は、僕とわたし。
「冷静と情熱のあいだ」みたいな話だったけど。
辻仁成のあとがま狙いますか?w

前のSFマガジンのも
「あなたの人生の物語」を越える
博士が愛した数式も越えるといい。
オーダーに沿ったものだった?

伊藤:
軍好き?書こうと思えば何でも書ける?
ただ軍ネタは一番アクセスしやすいライブラリではある。
使い勝手のいいツールを使ってしまうという問題点もある。

話を貰うと軍事ものがやはり多い。
しかし日本人主人公にするとどうしても福井さんになる
周辺情勢書きたくない。
日本人を主人公にしてSFを書くのはむずかしい。

円城:
ぼくも日本人を主人公に書くのは難しい
名前をまず決められない。

伊藤:
そうそうw
江戸の話を書けといわれると
まず、飢饉の話を考えてしまう。
飢饉器官というのはどうだろうw

ゾンビ映画をたくさん見てきた名残なのか、
死人の数で作品のスケールが広がる、と感じるふしが自分にはある。
世界の広がりよりは死人の数で決まる、という感覚がある。

円城
それは直した方がいいw
それは無限大に増えていく?

伊藤
地球上の人口以上に死人は増えないし。
宇宙人が死んでも楽しくないし。
円城さんの話に、血が出ないですよね。

円城
この話普通に沢山人死んでいます。
アメリカなくなったりしている。

Q&A
モンティパイソンネタはどこから?
ねたのいれどころを考えていて自然に。
ときメモと同じ
虐殺器官のアイデア自体がモンキーパイソンだけど。
話に合わせてネタをチョイスしている。

ルワンダのシェパードは、ルーシャス・シェパードからとった
戦時生活、あとで大森さんにすすめられて読んだ。似ているなぁと思った。
http://www.amazon.co.jp/%E6%88%A6%E6%99%82%E7%94%9F%E6%B4%BB-%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%B9-%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%89/dp/4102301011

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SF冬の時代といっているのにSFで出したのは何故?

そもそも小説家になりたいというのはあった?
なかった。
たまたま自分にかけるものがこれだった。
これで食べていく、という強いものはなかった。

SFじゃなくても大丈夫でしょう
でもSFでないと出せないよね。

---
小説を選択した理由は?
円城:
出力の形式は書くしかないので。あと誰かとの共同作業が苦手だし。
本を出すのに誰かが関わるのが楽しいと思ったのは本を出すのが初めて。
研究は?
ものによるけど、自分はそう。

伊藤:
マンガ描くよりは早い
思いついたことに追いつかない。基本的にガマン作業。
マンガを描いているとじれったくなる。
最初に思いついたイメージをいかに劣化させないか、というのが重要
忘れちゃうんで。
とりあえず言葉でしか書けないことを書く。

芥川賞の選評については?
ブログに書いたとおり
山田さんはキャラとあっているので、ああいうしかないし。

タイトルの列挙の話は?
僕が都知事でもああいう。ふざけるなと。
一番まっとうな選評だった。あきらかにおかしい。
まとも系の3人が割りを食った。

最近の海外SFとかは読んでいる?
SFじゃないけど、Magic for Beginnersは読んだ
SFマガジンに載ったのはSFです。
シンギュラリティもの何か

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ドゥルーズとの関係は?
円城:
まさにそれのみ。非常に馴染み深い
伊藤:
普通にニューアカははまっていた。僕らの時代はそう生きるしかなかった。
ヴィリリオとか普通に読んでいたのでそういうところがどうしても出てくる。

今後の予定は?
円城:
SFマガジン
あれ、載せていいの?載せますよ。
まずそれを全力で直す
文芸春秋
SFは極力避けることという一文をいただいて。80枚。
伊藤:
あれ〆切いつなんでしたっけ?w
今月いっぱいで。
まじですか
短編。子供兵が主人公
あと長編の構想が1つ。

円城さん、10/20にアキバで神林との読書会?を
一昨年は藤崎慎吾、小川一水
昨年が山本弘
その前に京フェスがある。