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一条真也の新ハートフル・ブログ

2017-10-20

すべては人しだい  

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何かが盛んになるのも、何かが衰えてしまうのも、
すべての原因は人にある。
人が成功するか、失敗するかは、
正しい方法を選び取ったかどうかで決まる。
(『綜芸種智院式』)



一条真也です。
空海は、日本宗教史上最大の超天才です。
空海は「お大師さま」あるいは「お大師さん」として親しまれ、多くの人々の信仰の対象ともなっています。「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ」の異名が示すように、空海は宗教家や能書家にとどまらず、教育・医学・薬学・鉱業・土木・建築・天文学・地質学の知識から書や詩などの文芸に至るまで、実に多才な人物でした。このことも、数多くの伝説を残した一因でしょう。

超訳空海の言葉

超訳空海の言葉



「一言で言いえないくらい非常に豊かな才能を持っており、才能の現れ方が非常に多面的。10人分の一生をまとめて生きた人のような天才である」
これは、ノーベル物理学賞を日本人として初めて受賞した湯川秀樹博士の言葉ですが、空海のマルチ人間ぶりを実に見事に表現しています。
わたしは『超訳 空海の言葉』(KKベストセラーズ)を監訳しました。現代人の心にも響く珠玉の言葉を超訳で紹介しています。



2017年10月20日 一条真也

2017-10-19

くさみ三礼庵竣工式  

一条真也です。
19日の11時から、「くさみ三礼庵」の竣工清祓御祭が行われました。場所は、北九州小倉南区朽網東五丁目3番7号です。紫雲閣とは別ブランドの古民家を改装した施設で、「三礼」とは「慎みの心」「敬いの心」「思いやりの心」という小笠原流礼法における3つの「礼」を意味しています。

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完成した「くさみ三礼庵」の外観
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古民家を改装した施設です



サンレーグループとしては、福岡県内で38番目、全国で70番目(いずれも完成分)のセレモニー関連施設となります。しかしながら、「葬儀だけを行う」セレモニーホールではなく、「葬儀も行う」コミュニティセンターです。古民家を改装しているので、「コミュニティハウス」と呼ぶべきでしょうか。
普段は茶道教室や華道教室などを開き、葬儀のときにはスタッフが着物姿で抹茶をたて、生け花を飾ります。「三礼庵」は、これまでにない新業態なのです。いよいよ70店体制が実現し、ロビーにはたくさんのお祝いの胡蝶蘭が飾られていました。本当に、ありがたいことです。

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たくさんの胡蝶蘭を頂きました
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本日の神饌
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本日の式次第
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一同礼!



神事の進行は、サンレー北九州総務部の國行部長が担当。神事は地元を代表する神社である「宗像神社」の重村禰宜にお願いしました。 開式の後、修祓之儀、降神之儀、献饌、祝詞奏上、清祓之儀を行いました。

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竣工式のようす
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清祓之儀のようす
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玉串奉奠する佐久間会長
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わたしも玉串奉奠しました



それから、玉串奉奠です。最初に、株式会社サンレー佐久間進会長、続いて社長のわたしが玉串を奉奠しました。それから、関係各位のみなさんが次々に玉串を奉奠しました。その後、撤饌、昇神之儀、そして閉式と、滞りなく竣工清祓神事を終えました。そして、神酒戴盃をしました。

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神酒戴盃のようす
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主催者挨拶をしました



神酒戴盃の後は、主催者挨拶です。わたしは次のように挨拶しました。
「このように立派なホールを建設できて、本当に嬉しく思います。これで、会員様に満足のゆくサービスを提供することができます。ぜひ、新施設で最高の心のサービスを提供させていただき、この地の方々が心ゆたかな人生を送り、人生を卒業されるお手伝いをさせていただきたいと願っています」

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朽網(くさみ)について話しました



それから、わたしは朽網(くさみ)について話しました。
朽網は、京都郡苅田町と接し、貫山系水晶山の北東に当たります。景行天皇の土蜘蛛討伐の際、葛の網を敷きました。それが朽ちたことにより付いた地名との伝説が伝わっています。九州には景行天皇の伝説が残されている場所が多数ありますが、朽網はそういった場所の1つです。

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「朽網」は景行天皇伝説に由来します



平尾台の青竜窟に住む、土蜘蛛という一族が村に出て来て害をなして、天皇に恭順しなかった時、景行天皇が相手の神出鬼没ぶりに、さんざん苦労した挙げ句、カズラで編んだ長い網を道の両側に張って、土蜘蛛一味を逃げられないようにしておき、襲って来た所を迎え討ち全滅させたという伝説があります。その時の網が年を経て、腐れ朽ちたことから、「朽網」の地名がついたとか。

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狸山について話しました



また、わたしは朽網について、以下のようにも述べました。
1866(慶応2)年、第二次長州征討戦の小倉口の戦闘で、幕府軍は長州軍に破れ、小倉藩は小倉城自焼後、田川郡香春に退きました。田川に到る街道の金辺峠に展開する島村志津摩を総括とする軍と、中津街道の狸山に展開する小宮民部を総括とする軍が長州軍を攻撃しました。長州軍は高津尾と狸山口の二方面に総攻撃をかけました。小倉軍は善戦しましたが、戦力からしてもう限界と感じ、止戦の調停を依頼し、小倉軍は金辺峠と狸山から撤退しました。この狸山は、朽網の京都郡との境近くの丘陵地です。
狸山は、まさに「くさみ三礼庵」のあたりとなります。

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慎みと敬いそして思いやり 三つの礼をもてなしに込め



それから、わたしは「ここは狸山古戦場といって、古くから豊前の軍事・交通の要衝だった場所です。現在ブームとなっている『応仁の乱』では松山城を巡って激しい攻防が繰り広げられたといい、慶應2年(1866)長州軍を迎え撃つため、島村志津摩の構想下で狸山方面は小宮民部を総司令官として藩兵の主力をこれに当てて戦ったと説明されています」と言いました。そして、「ぜひ、この三礼庵で『慎みの心』『敬いの心』『思いやりの心』を生かした『おもてなし』をご提供したいです」と述べ、以下の道歌を披露しました。


慎みと敬いそして思いやり
         三つの礼をもてなしに込め(庸軒)  



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田中支配人の決意表明を受けました
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くさみ三礼庵の「禮鐘」の前で



その後、田中支配人より、この地の方々の人生の卒業式を心をこめてお世話させていただき、地域に愛される会館をめざしますという力強い決意を受け取りました。決意表明の後は、参加者全員で集合写真を撮影しました。「くさみ三礼庵」が多くの方々から愛される施設となりますように・・・・・・。

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くさみ三礼庵の前で



2017年10月19日 一条真也

2017-10-18

さらなる未来へ!  

一条真也です。
18日、早朝から松柏園ホテルの神殿で月次祭が行われました。
戸上神社の是則神職が神事を執り行って下さいました。
この日は祭主であるサンレーグループ佐久間進会長が不在であったため、サンレー社長のわたしが代理を務めました。

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月次祭のようす
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玉串奉奠を行いました



神事の後は、恒例の「天道塾」を開催しました。
サンレーグループ第二創業期を拓いてゆくために従来の「佐久間塾」および「平成心学塾」を統合して新たに創設された勉強会です。
最初に、北九州紫雲閣の緒方支配人、小倉紫雲閣の青木総支配人から、「紫雲閣のコミュニティセンター化の具体策」の発表がありました。

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紫雲閣のコミュニティセンター化の具体策
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「盆踊り大会」の開催について
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明日、オープンする「くさみ三礼庵」について
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わたしが登壇しました



それから、わたしが登壇して講話をしました。
まず、わたしは、WEBシステムに写っている各地の社員に向かって話しかけました。今月1日、松柏園ホテル新館「VILLA LUCE」がグランドオープンしました。わたしは「NEW松柏園から、全国の社員のみなさんにメッセージを送ることができて嬉しい」と述べました。また、来月には創立51周年を迎えるということで、より一層の団結を呼びかけました。

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祝賀会について話しました



それから、創立50周年記念動画を流しました。
今月25日に行われる互助会関係者向け祝賀会、および26日に行われる一般向け祝賀会のためのオープニング映像です。祝賀会といえば、先日、参加した某互助会の50周年祝賀会の感想を話しました。
わが社の場合は、新しい冠婚施設をオープンして直後の祝賀会となります。わたしが社長に就任した17年前の状況を思うと、本当に感無量です。今までさまざまな出来事がありましたが、ここまで来られたのは社員の皆様のおかげです。心から感謝しております。

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セレモニーホールからコミュニティセンターへ!



今月11日に「新宮紫雲閣」、14日に「日田紫雲閣 田島館」の竣工式が行われました。そして、明日、19日には新業態の「くさみ三礼庵」の竣工式が予定されています。これで、わが社の葬祭施設は70店体制となります。
いま、わが社では「セレモニーホールからコミュニティセンターへ」をスローガンとして掲げています。「葬儀をする施設」から「葬儀もする施設」への転換を目指しているわけですが、「子ども110番の家」「赤ちゃんの駅」に登録したり、常備薬やAEDを設置したりしています。さらには、映画、演劇、音楽コンサートなども上演できる地域のコミュニティセンター、カルチャーセンター化をめざしています。

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日本最大の国難を打ち破ろう!



ある意味で、これは「紫雲閣の寺院化」でもあります。
かつての寺院は、葬儀を行うことが最大の機能でありながらも、近隣住民のコミュニティセンター、カルチャーセンターでもありました。
寺院と並んで、神社もコミュニティセンター、カルチャーセンターでした。そして、神社はあらゆる祝い事を行う「ハレ」の場でもありました。わたしは、互助会の冠婚施設はこれから神社化していくべきであると考えます。
もちろん、神社というのは「祝いの場」「ハレの場」という意味であって、神道の宗教施設という意味ではありません。それから、神社で行われる「祭り」は、若い男女の出会いの場でもありました。
いま、「非婚化」や「少子化」が日本最大の国難となりつつあります。わが社では、本格的に「婚活」事業に取り組む必要があります。

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さらなる未来に向かって前進を!



わが社は冠婚葬祭互助会ですが、会員様、お客様に高い満足を提供するには施設というハードだけでは限界があります。無縁社会を残り越える地域交流イベントの推進、さらには各地の「まつり」への支援など、文化性と公共性を兼ね備えたさまざまな企画ノウハウや各種サービスに基づいたソフト、そして何よりも「慈」や「礼」といったハートが求められます。わたしたちは、「わが街にサンレーの施設があって良かった」と言っていただけるように、これからもハード・ソフト・ハートの三位一体を追求したいと思います。最後に、わたしは「ようやく50周年を迎えることができたことに感謝しつつ、さらなる未来に向かって前進しましょう!」と呼びかけ、降壇しました。

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最後はもちろん、一同礼!



2017年10月18日 一条真也

2017-10-17

呪いの時代に、祝いの光を! 

一条真也です。
17日、「サンデー毎日」2017年10月29日号が発売されました。
表紙は、元宝塚歌劇団花組トップスターで女優の真矢ミキさんです。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第101回は、「呪いの時代に、祝いの光を!」です。

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「サンデー毎日」2017年10月29日号



先日、わたしが経営するサンレーの創業の地に建つ松柏園ホテル新館「ヴィラルーチェ」がオープンしました。また、会社の創立50周年記念祝賀会を3日連続で開催させていただく予定です。半世紀の間にはさまざまなことがありました。お客様はもちろん、社員の皆様のおかげで、ここまで来ることができました。感謝の念でいっぱいです。



というわけで、わが社はすっかり「お祝い」ムードに包まれています。じつは、わたしは「祝う」という営み、特に他人の慶事を祝う心と行為が人類にとって非常に重要なものであると考えています。
よく「ありがとう」は最強の言霊だなどと言われますが、「おめでとう」はそれ以上のパワーを秘めているように思えます。なぜなら、「ありがとう」はレシーブですが、「おめでとう」とはサーブだからです。



サーブとしての「祝い」には、ものすごい力があります。「祝」に似た字に「呪」がありますが、「呪」も「祝」も神職者にかかわる字であり、「まじない」の意味を持ちます。「呪い」も「祝い」も、もともとは「言葉を使う」ことです。心の負のエネルギーは「呪い」、心の正のエネルギーは「祝い」によって発動されます。ネガティブな「呪い」を解く最高の方法とは、冠婚葬祭に代表されるポジティブな「祝い」を行うことなのです。



いま、世界も日本も、「呪い」の応酬がすさまじいと言えます。北朝鮮とアメリカ、自民党と野党・・・・・・。それぞれが相手を完全破壊すべく、「呪い」を仕掛け合っています。ネット社会での個人の誹謗中傷、学校でのいじめ、会社でのハラスメントも立派な「呪い」です。



このような「呪い」を「祝い」によって解くことは、暗闇を太陽の光が照らすようなものではないでしょうか。わが社の冠婚施設では、結婚披露宴のみならず、長寿祝い、厄除け祝い、還暦祝いなどが開かれ、多くの方々が参加しています。これからも、「おめでとう」と「ありがとう」の声、心のサーブと心のレシーブが行き交う社会の実現をめざしたいです。

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「サンデー毎日」2017年10月29日号の表紙



2017年10月17日 一条真也

2017-10-16

「エイリアン:コヴェナント」  

一条真也です。
リドリー・スコット監督のSF映画「エイリアン:コヴェナント」を観ました。
同じくスコット監督の「プロメテウス」(2012年)の後日譚であると同時に、やはりスコット監督の「エイリアン」(1979年)の前日譚でもあります。




ヤフー映画の「解説」には以下のように書かれています。
「巨匠リドリー・スコット監督がメガホンを取った『エイリアン』シリーズの原点となるSFホラー。移住のため宇宙船コヴェナント号で旅立ったクルーたちが、ある惑星で遭遇した出来事を描写する。アンドロイドを『スティーブ・ジョブズ』などのマイケル・ファスベンダーが演じ、ヒロインを『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などのキャサリン・ウォーターストンが熱演。スコット監督が構築した世界観と衝撃の展開に絶句する」

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また、ヤフー映画の「あらすじ」には以下のように書かれています。
「宇宙移住計画を遂行するため、コールドスリープ中の男女2000人を乗せた宇宙船コヴェナント号は、植民地の惑星に向かって宇宙を航行する。最新型アンドロイドのウォルター(マイケル・ファスベンダー)が船の管理を任されていたが、途中で事故が発生。乗組員たちは必死で修復作業に取り組み・・・・・・」




この映画、じつはそれほど興味はなかったのですが、「週刊文春」10月12月号でコラムニストの小石輝氏が絶賛していたので、「それほどの名作なら、観てみようか」と思いました。「サブカルの狙撃手」との異名を持つ小石氏は「大傑作や!」と感嘆し、以下のように述べています。
「『エイリアン:コヴェナント』は『エイリアンはどのようにして誕生したのか』という謎を解き明かす作品であると同時に、2012年公開の『プロメテウス』の続編でもある。この2作でリドリー・スコット監督は『誰が人類を創造したのか』『創造主と「創造された者」の関係とは何か』という宗教的・哲学的な問いかけをしている」




この宗教的・哲学的な問いかけは映画の開始早々に展開されるのですが、じつは「プロメテウス」の世界観や登場人物を引き継いでいるため、「プロメテウス」をきちんと観ておかないと、わかりにくいです。わたしも「プロメテウス」は一応観た記憶はあるのですが、内容をほとんど憶えておらず、映画の全篇にわたってチンプンカンプンでした。そのせいと、ストーリーの中だるみもあって、途中でずいぶん寝てしまいました。「プロメテウス」はあまり評価の高い作品ではありませんでしたが、もっと「エイリアン:コヴェナント」だけを観て理解できる映画にしてほしかったです。




ただ、この映画には宗教的・哲学的な問いかけがあることは事実です。その意味では、SF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」を連想しました。
リドリー・スコット監督はもうすぐ80歳になるそうですが、「人類が進化という生物学的偶然で生まれたはずがない」「宇宙のどこかに人類の創造主が必ずいる」と本気で信じていることを自身のインタビューで明かしています。




宇宙と人類との関係ということでは、わたしは『唯葬論』(三五館)の「宇宙論」において、人類の生命が宇宙から来たという仮説を紹介しました。DNAの二重螺旋構造を提唱してノーベル賞受賞者となった分子生物学者のフランシス・クリックが「生命の起源と自然」を発表し、生命が宇宙からやってきた可能性を認めました。その後、イギリスの天文学者フレッド・ホイルと、星間物質を専門とするスリランカ出身の天文学者チャンドラ・ウィックラマシンジは「パンスペルミア説」を提唱しました。

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唯葬論』(三五館)



「パンスペルミア説」とは、生命は宇宙に広く多く存在しており、地球の生命の起源は地球ではなく、他の天体で発生した微生物の芽胞が地球に到達したものであるという説です。ホイルとウィックラマシンジは、生命の種子が彗星によってもたらされたと主張したのです。その後、クリックはさらに、高度に進化した宇宙生物が生命の種子を地球に送り込んだとする「意図的パンスペルミア説」を提唱しました。 地球が誕生する以前の知的生命体が、意図的に“種まき”をしたというSFそのもののような仮説です。




「パンスペルミア説」が正しいにせよ、SFのような「意図的パンスペルミア説」が正しいにせよ、わたしたち人間の肉体をつくっている物質の材料は、すべて星のかけらからできています。これは、もう間違いないでしょう。その材料の供給源は地球だけではありません。はるかかなた昔のビッグバンからはじまるこの宇宙で、数え切れないほどの星々が誕生と死を繰り返してきました。その星々の小さな破片が地球に到達し、空気や水や食べ物を通じてわたしたちの肉体に入り込み、わたしたちは「いのち」を営んでいます。




「いのち」といえば、ブログ「ライフ」で紹介した映画は、明らかに「エイリアン」シリーズを意識していました。ダニエル・エスピノーサがメガホンを取ったSFスリラーです。国際宇宙ステーションを舞台に、火星で発見された生命体の脅威にさらされた宇宙飛行士たちの運命を追う物語ですが、逃げ場のない宇宙船内で未知の生物と戦う姿は、「エイリアン:コヴェナント」と見分けがつかないくらい似ていました。まあ、「ライフ」にはアンドロイドが登場しませんでしたが・・・・・・。




さて、「生命」とはいったい何でしょうか?
一般的に広く認められている「生命の定義」は以下の3つです。
1.外界と自己を隔てる膜を有している
2.自己と遺伝的に類似した子孫を残せる(=自己複製能力を有する)
3.代謝による生命維持機能を有する
以上の3点は、ほぼ異論なく認められる定義です。
「ライフ」と同様に、「エイリアン:コヴェナント」を観ていると、「生命とは何か」について考えざるをえません。




エイリアン:コヴェナント」にはデヴィッドという名の人工知能が登場します。つまりはアンドロイドですが、穏やかな表情で悪魔のような所業に熱中するところは怖ろしさを感じます。アンドロイドである以上、人間のモラルからはかけ離れたところにいるのでしょうが、それにしても人間が実験動物を見るような目で、デヴィッドは人間を見ています。

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死を乗り越える映画ガイド』(現代書林)



先の小石氏は「スコット監督は、創造主のように生命をもてあそぶ不死の存在デヴィッドに感情移入することで、自らの死の恐怖を乗り越えようとしているのかもしれないとさえ思える」と述べています。ということは、この作品は、拙著『死を乗り越える映画ガイド』(現代書林)で提示した「死を乗り越える映画」の1つなのかもしれませんね。吸血鬼やゾンビやミイラや人造人間といったモンスターたちと並んで、アンドロイドも「不死」の存在ですから。




わたしにとってのSF映画とは、単なるエンターテインメントというよりも、物事の本質を考える見方を与えてくれる「哲学映画」としての要素が強いと言えます。わたしがSF映画を観て考えるテーマには、「人間とは何か」というものがあるのですが、これは「人間そのもの」を扱った映画というよりも、「人間以上」あるいは「人間以下」の異形の存在を扱った映画のほうが、より「人間」の本質を浮き彫りにできるような気がします。




アンドロイドといえば、リドリー・スコット監督の代表作で、SF映画史上に残る名作「ブレードランナー」が有名です。なにしろ、「ブレードランナー」の原作は、SF小説の巨匠であるフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』でした。それを映画化した伝説の名作「ブレードランナー」も、新作「ブレードランナー2049」としてアップデートされました。




前作の主人公を演じたハリソン・フォードが再び出演し、ライアン・ゴズリングが新人のブレードランナーを演じます。監督はブログ「メッセージ」で紹介した映画でメガホンを取ったドゥニ・ヴィルヌーヴです。「ブレードランナー2049」は、10月27日に公開されます。楽しみです!




さて、「エイリアン:コヴェナント」で観客に恐怖を与えるのはアンドロイドだけではありません。主役であるエイリアンも暴れまくります。
かのH・R・ギーガーがデザインしたその造形はやはり素晴らしく、グロテスクではありながら、奇妙な美しさも感じさせます。「エイリアン」シリーズは1979年の衝撃の第1作以来、多くの観客を宇宙的恐怖に陥れてきました。未知の宇宙生物は不可解にして恐怖です。




エイリアン:コヴェナント」は2104年の物語です。
「プロメテウス」の11年後、「エイリアン」の20年前です。「プロメテウス」を含めた一連のシリーズを年表にすると、以下のようになります。
もうちょっと年表を見てみましょう。
「プロメテウス」2089年
「エイリアン」 2124年
「エイリアン2」2181年
「エイリアン3」2270年
「エイリアン4」2470年




こうやってシリーズを俯瞰すると、エイリアンをめぐる神話が形成されている感があります。「映画は神話の代用品である」とはわが持論であり、神話なき国アメリカで最も映画産業が発展した秘密はここにあります。
特に、SF映画は神話的要素が強いと言えるでしょう。
SF映画といえば、「エイリアン:コヴェナント」が上映される前、スクリーンには「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」の予告編が流れました。




「エイリアン」にしろ、「猿の惑星」にしろ、「スターウォーズ」にしろ、アメリカにおけるSF映画は壮大な神話と化していきます。
「バッドマン」シリーズに代表されるアメコミのヒーロー映画も神話化しています。そして、「ジャスティス・リーグ」とか「アヴェンジャーズ」といったヒーロー総登場映画とは、神話の再編集であり総集編です。改めて、「映画はアメリカの神話である」という事実を再確認した次第です。





2017年10月16日 一条真也