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烏有ブログ

2014-11-28

世界のブックデザイン展

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 今日、飯田橋印刷博物館で明日から始まる「世界のブックデザイン展 feat.スイスのブックデザイン」のオープニングに行ってきました。

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 この展示会は、「2014年3月にドイツ ライプツィヒで開催された「世界で最も美しい本コンクール2014」の受賞作に、日本、ドイツスイスオランダオーストリア中国イランにて開催された各国コンクールの受賞作を加えた約160点を展示します」というもの。毎年この時期に印刷博物館の 【P&Pギャラリー】(入場無料)で開催されています。期間は11月29日から2015年2月22日まで。詳細は印刷博物館のサイト「世界のブックデザイン2013-14」でどうぞ。


 「feat.スイスのブックデザイン」となっているのは、今年が日本とスイスの国交樹立150周年にあたることから、特別企画として「1950年代から現代にいたるスイスのブックデザインの秀作約40点」を展示することになったようです。

 最新のブックデザインももちろんいいんですが、このスイスの昔の本がまたいいんですよね。たんなる懐古趣味じゃなくて、やっぱりいいデザインは時代を越えて伝わってくるんでしょうね。

 オープニングの前には、はるばるスイスから駆けつけたローランド・シュティーガーさんを囲んでのちょっとした茶話会がありました。シュティーガーさんはブックデザイナー兼タイポグラファで、スイスタイポグラフィやブックデザインについて、いろいろ興味深いお話を伺いました。

 「タイポグラフィのもっとも大切な目的は、内容を読み易く、他者に伝えること」という言葉が印象に残っていますが、面白かったのはスイスの出版事情について。「テクノロジーの進化により、いまは過渡期で大変な時代、と言われているが、何十年も前から同じことが言われ続けている。なので、これからも大丈夫だろうと楽観的に考えている」とのこと。やっぱり日本もスイスも同じなんですねえ。私もけっこう楽観的に……というか、もうなるようになれって感じなんですが。


 日本の本コーナーには、今年の造本装幀コンクール入賞本も並んでいて、うちの『高岡重蔵 活版習作集』もありました。

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 なんか今年のこのブログは、重蔵さんの本の話題が続きました。二つも賞をいただき、いろんな本の展示会や書店さんのフェアに並んだり、海外の媒体で紹介されたりしたからなんですが、まあ、さすがにこれで打ち止めでしょう。


 本展には、世界中から集められた、ブックデザインはもちろん印刷・製本技術の粋をこらした作品ばかりが展示されています。また嬉しいのは、(特別展示のスイスの本はケースに入っていますが)通常展示の本は一冊一冊手に取ってページをめくって見ることもできます。 本好きの方はぜひ足を運んでみてください。ほんっとに、楽しいですよ〜。

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2014-10-14

第7回「本とのサロン」のご案内

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 来る11月8日、第7回「本とのサロン」を開催いたします。

 「本とのサロン」は、印刷、タイポグラフィ、製本、紙、編集など、出版物の制作に携わるメンバーが集まり、参加者と一緒に、本づくりの現状や今後の課題、将来の展望などを自由に話し合う会です。

 (「本とのサロン」の発端についてはこちら→烏有ブログ2012/12/8、「本とのサロン」始めます


 主宰の松岳社・青木英一さんの案内文を抜粋してみます。

今回のテーマは、【松岳社 工場見学】。

実際に稼働している製本工場の中で皆様と本づくりの話をしたいと考えました。

量産されている一般の書籍、その隣で作られている手工業的な製本の設備を見学して頂く企画です。

また、長年使われてきた道具や、一日で1万部以上の本を作ることが出来る製造ラインの裏話など解説したいと思っています。

このような企画なので、今回は参加者の人数をしぼり、日ごろから紙で作られた書籍を手にして仕事をされている方に限定させていただきたいと思います。

 申し込み方法など詳細はこちらで→「本とのサロン」ブログ

 今回は定員15人なので、興味のある方はお急ぎください。

 それではみなさま、お気軽に、かつ奮ってご参加を!

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2014-10-03

日本のタイポグラフィ 五十年の記録展

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 10月1日から11月14日まで、神田錦町にある竹尾見本帖本店2Fで、日本タイポグラフィ協会創立50周年記念「日本のタイポグラフィ 五十年の記録展」が開催されています。

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 同協会のWebページ(→日本のタイポグラフィ 五十年の記録展)には、

2014年、日本タイポグラフィ協会は創立50周年を迎えました。

当協会は、発足より半世紀にわたり、『年鑑』の制作、機関誌『タイポグラフィックス・ティー』誌の発行、展覧会の開催、知的財産権の研究等を通じて、タイポグラフィの発展と歴史の記録に寄与し続けてきた、稀有な団体であると自負しております。

このたび、創立50周年を記念して、これまでの活動を総括的に発信する展覧会を、「日本のタイポグラフィ 五十年の記録展」と題しまして、東京大阪の2会場にて開催する運びとなりましたので、是非、ご覧ください。

とあります。

 会期は東京が10月1日〜11月14日、大阪が2015年3月16日〜27日とのこと。文字好きにはたまらない内容ですよ。お見逃しなく。


 ところで、東京会場の一角に烏有本も並んでいました。

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 これは、同協会が毎年選定して顕彰している佐藤敬之輔賞を、2004年に高岡重蔵さん&昌生さんの嘉瑞工房が受賞しているからなんです。

 写真の左側は、嘉瑞工房創設者・井上嘉瑞さんの著作『井上嘉瑞と活版印刷』(印刷学会出版部)の特殊函入りバージョン。この函入り版は、たしか同会場にある美篶堂さんで買えたはず(10/7追記→品切れとのこと)。

 右側が烏有本・新装版『欧文活字』です。佐藤敬之輔賞受賞記念で発行した『復刻版 欧文活字 付録・タイポグラフィ習作1942 My Typography』(印刷学会出版部、2004年版)はもう品切れということで、うちの本が並んだようです。復刻版についてはこちらで→FM STUDIO Scribbles「3つの欧文活字」

 復刻版の内容は烏有本でも読むことができますが、オリジナル発行当時(1948年)の組版を楽しみたい方は、ぜひ古書店で探してみて下さい。

 ちょっと前に新刊書店(青山ブックセンター本店と紀伊國屋新宿南店)でも見かけた記憶がありますが、まだ店頭にあるかどうかはわかりません。ジュンク堂HP(→欧文活字(2004年07月)|高岡 重蔵)で検索してみると、まだ5店舗で在庫ありになってます!

 あと、「どうしてもオリジナルそのものが見たい!」という方は、新富町にある印刷図書館でどうぞ。印刷関連の書籍・雑誌・資料がぎっしり詰まった専門図書館。凄いですよ。

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2014-09-16

10月にジュンク堂書店新潟店で坂口安吾フェア

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 10月1日からジュンク堂書店新潟店で坂口安吾フェアが始まるようです。場所は1階レジ前とのこと。

 今日、フェア用に坂口安吾『アンゴウ』尾崎士郎『没落時代』の出庫依頼をいただきました。ありがとうございます!

 安吾の盟友だった尾崎士郎の本まで並ぶとは、とても面白そうなフェアになりそうです。新潟といえば安吾の出身地、10月といえば安吾の誕生月ですもんね。盛り上がってほしいなあ。

 ジュンク堂さんのサイトにフェアの案内が出たら改めて紹介しますが、ひとまずお知らせまで。


10/11追記

 安吾フェアが10/10から始まったようです。

新潟市が生んだ偉大な作家坂口安吾。日本文学史上に於いては新戯作派(無頼派)と呼ばれ、太宰治織田作之助らと共にその名を轟かせた。

にも関わらず、未だ以て坂口安吾という作家の評価は不当に低いもののように思われる。鋭い眼差しと圧倒的な筆力を持って純文学、エッセイは勿論、歴史小説探偵小説、果ては風俗時評まで。多彩なる才能を発揮しながら、激動の時代を彗星の如く駆け抜けていった。無頼という言葉は坂口安吾にこそよく似合う。

10月20日の生誕日を記念してお届けします。

とのこと。

 詳細はジュンク堂書店新潟店のサイト→「無頼 〜坂口安吾という男〜」で。10月31日までです。

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2014-09-11

愛書家の楽園「“ひとり出版社”を興す」フェアに行ってきました

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 先日お知らせした(烏有ブログ 9/8愛書家の楽園「“ひとり出版社”を興す」フェアが始まりました。

 場所はジュンク堂書店池袋本店1階エレベータ前&福岡店3階人文フロアで、期間は9月10日から10月9日まで。→詳しい内容はジュンク堂PR誌『ほんのしるべ 書標』2014年9月号で。(リンク先の中ほどにあるPDFで中身が読めます。pp. 6–9参照)


 さっそく昨日、池袋本店さんに様子を見に伺ってきました。これがフェア棚です。

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 烏有本も並んでいました。ありがとうございます!

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 「愛書家の楽園」は、月代わりで色んなテーマの本を取り上げるフェアとのこと。今回のテーマが「一人だけでやっている出版社の本」で、17社17冊の本が取り上げられています。


 順にあげてみると、

 『巫女シャーマン神道文化』(高見寛孝、岩田書院

 『高岡重蔵 活版習作集』(高岡重蔵、烏有書林

 『食べること考えること』(藤原辰史、共和国

 『カステラ』(パク・ミンギュ、ヒョン・ジェフン、斎藤真理子 訳、クレイン)

 『ウクライナから愛をこめて』(オリガ・ホメンコ、群像社

 『カイヨワ幻想物語集 ポンス・ピラトほか』(R. カイヨワ、金井裕 訳、景文館書店)

 『天皇制の隠語』(絓秀実、航思社)

 『どうぞこのまま』(丸山圭子、小径社) ※上のリンク先の一覧にはなし

 『定本 想像の共同体』(ベネディクト・アンダーソン、書籍工房早山)

 『緊縛文化史』(マスター“K”、すいれん舎) ※上のリンク先の一覧にはなし

 『中世絵画マトリックス 2』(佐野みどり、青簡舎)

 『復刻写真集 大正大震災号 高橋五山編』(高橋洋子、全甲社)

 『3着の日記』(ひがしちか、塩川いづみ、前田ひさえ、土曜社)

 『ラヴ・レター』(小島信夫夏葉社

 『契約 鈴木いづみSF全集』(鈴木いづみ、文遊社)

 『憎むのでもなく、許すのでもなく』(ボリス・シリュルニク、林昌宏 訳、吉田書店)

 『釜ヶ崎のススメ』(原口剛、洛北出版)


 いろんな“ひとり出版社”がありますね〜。それぞれに個性があって、面白そうな本が並んでいます。これまでまったく知らなかった出版社も何社かありました。(もちろん一人でやっている出版社は他にもたくさんあります。そういえば、先日まで神保町東京堂書店さんでも一人出版社フェアをやっていましたね)

 一人でやっていて一番いいのは、やりたい企画がすべて通ってしまうところでしょうか。逆に、歯止めが利かなくて製作原価がどんどん上がってっちゃうのが恐ろしいところです。原価計算をしても、ついつい見て見ぬふり。

 こんな面白い本が売れないはずがない!とか、なにかの弾みでたくさん売れてくれるんじゃないか、なんて妄想して、結局「いてまえオリャー!」ってなっちゃうんですよね……

 たぶん、私のように自分を律することができない人間には向いてないです。なかなか本が売れてくれず(とくに文学物)、もう資金が尽きそうで、そろそろ店じまいをしようかと考えている今日この頃なんですが、今回のフェアのようにちゃんとうちの仕事を見てくださっている方々もいるし、もうちょっと頑張ってみようかな。

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