こんな小説があったのか、と読みながら思った。米国の高校生が、広島と長崎への原爆投下の是非についてディベートする、という小説である。2018年に刊行されから、累計で10万部を超えている。昨年夏に文春文庫の仲間入りをした。作家は、小手鞠るいさん。キラキラネームっぽいし(ペンネームと思われるが)、この作品もヤングアダルト向けなので、勝手に若い作家をイメージしていたのだが年齢的には先輩である。詩人でもあり、児童書が主なフィールドだろうか。翻訳家でもある。 ある晴れた夏の朝 (文春文庫 こ 43-4) 作者:小手鞠 るい 文藝春秋 Amazon 主人公は、日本生まれのメイ。父はアイルランド系米国人で、母…