アカデミー賞の中の一つで、最も優れていると考えられた外国語映画に与えられる賞のこと。
外国語映画の表彰は、1947年から1949年にかけては「特別賞」、1950年から1955年にかけては「名誉賞」として行われ、1956年から現在の「外国語映画賞」となった。よく「外国映画賞」と間違われるが、「外国語映画賞」である。
デルス・ウザーラ モスフィルム・アルティメット・エディション [DVD] ユーリー・サローミン Amazon 黒澤不遇の時代あたりに作られ、製作に苦労したような話も仄聞しており鑑賞が後回しに。 漫画家ヤマザキマリさんが息子さんにこの作品の主人公の「デルス」という名をつけておられることは知っていていつか観ようと思っていた。 Xでソ連のモスフィルムの映画の話をしていたとき、この映画の話題が出て、どうにもならなかったんだろうなと思ってしまうようなシーンもあれど、全体には素晴らしい映像も観られる名作ということだったので鑑賞。 とても誠実に作られており誠実すぎるゆえに観ているものをワクワクさせるような派…
Z [DVD] イヴ・モンタン Amazon 1969年 コスタ=ガヴラス監督描かれているのは現実の事件を元にした深刻な事態だし他人事ではない気持ちにもなるのだけど入りこみやすい語り口。シャープでユニークな編集 ジャン=ルイ・トランティニャンの、職務に徹する姿のかっこいいこと!「マルサの女」みたいだ。 新聞記者を演じたのはジャック・ペランとのこと。(プロデュースも)変な盛り上げ、ドラマくさいところがなく事件の描写も生々しかったし病院の不穏さも迫力あった。 ※2024年6月現在 DVDは高騰し入手困難な状況のようだ。ふや町映画タウンにてVHSで視聴。
原題は「Утомлённые солнцем」(”疲れた太陽”という意味もある)で 1930年代にソ連で流行した、ポーランドのタンゴに由来 (原曲はポーランド語で「最後の日曜日(To ostatnia niedziela)」) 公開当時はスターリン時代の共産主義者(正しくは社会主義)による 大粛清に対する批判的な内容が認められ アカデミー外国語映画賞、カンヌ映画祭審査員グランプリの W受賞をしたのではないかと思うのですが 2022年、監督脚本をしたニキータ・ミハルコフ(現78歳)は プーチンを支持し「ロシアのプロパガンダを広めた」 と ウクライナ侵攻を正当化する発信をします リベラルなブルジョ…
どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。 昨日までの4回に渡って、「熊本地震シリーズ」をお話ししてきましたが、今年の「熊本地震シリーズ」はとりあえず昨日の(その4)で締めることにしました。 ということで、今日のブログでは久しぶりに最近読んだ本のことをお話ししますね。 今日ご紹介するのは、村上春樹著「女のいない男たち(文春文庫)」です。 「うん?どこかで聞いたことあるぞ?」 と思われた方も多いかと思います。 そうです。 監督・濱口竜介、主演・西島秀俊による映画「ドライブ・マイ・カー」の原作となった短編小説が入った一冊です。 映画「ドラ…
こんにちは。ロードムービーが意外と嫌いじゃないさじゃんです。皆さん、ウィル・スミスに今年の話題をさらわれてしまった今年のアカデミー賞ですが五十年ぶりの快挙なったドライブ・マイ・カーの受賞。まだ、見れてなかったのですがアマゾンプライムビデオで有料レンタルしてみた感想を今日はお届け出来たらと思います。 ノマドランドにも通ずるロードムービー 主人公の家福は俳優であり、妻の脚本家の音と仲良く暮らして居ましたが、娘の死をきっかけに大きく変わった夫婦関係をどこかで押し殺して生きている中年男性です。前半部分はやや違和感のある夫婦生活をただただ見せられます。いかにも東京のクリエイティブな夫婦としてのイメージが…
アカデミー国際長編映画賞に日本映画の「ドライブ・マイ・カ-」(濱口竜介監督)が選出された。 以前は「アカデミー外国語映画賞」と呼ばれていた。 つまり、英語圏以外の世界中の映画から選ばれる。 日本作品では、2008年の『おくりびと』(滝田洋二郎監督)が受賞している。 1975年には日本人監督である黒澤明監督の『デルス・ウザーラ』が受賞しているが、本作はソビエト連邦作品である。 長きにわたるアカデミー賞の歴史の中で、アカデミー外国語映画賞を獲得した、ぼく自身が忘れられない映画を3作品紹介させていただく。 あらすじについては、正確さを期すため、一部映画資料から抜粋しているものもあるが、ご了解願いたい…
イタリア映画界の巨匠フェデリコ・フェリーニ監督が、本日1月20日、生誕101年を迎えます。 今回は、1950年代から1980年代にかけて名作を生み出したフェリー二映画監督と、筆者の愛する彼のモノクロ映画2作品について綴りたいと思います。 目次 フェデリコ・フェリーニ 道 La Strada 甘い生活 La Dolce Vita 最後に フェデリコ・フェリーニ 「道」「カビリアの夜」「8 1/2」「フェリーニのアマルコルド」の4作品でアカデミー外国語映画賞を、加えてアカデミー名誉賞を受賞したフェリーニは、1993年に73歳で逝去後、国葬されました。長身で恰幅の良い体格からは想像できない早口の高い…
映画をみる楽しみをとても味わえる作品だった。19世紀末スウェ―デンからデンマークの島に移住し、お屋敷の農奴として働く親子の物語だけど、大好きだったベルトルッチ監督の「1900年」の空気、それをペレという少年を中心にもっと点描風に描いた北欧らしい仕立てにしている風味で、本当によい時間を過ごせた。これは原作の第一部で、原作ではペレはアメリカに渡りコミュニストになって・・という話らしく、尚一層もう一つの「1900年」という感じで味わえる。 とても美しいデンマークの風景の中で起きる人間の業ともいえるような出来事の数々。でも、こういうこともああいうこともあるけれど、自分の人生をつかんでいけというような力…
1996年アカデミー賞最優秀外国語映画賞受賞作品。 淀川さんとおすぎさんの「おしゃべりな映画館4」の中で、おすぎさんが「いい映画だけど、ちょっと地味なのよねえ。」と発言。うん確かに。 娘を連れて村に戻ってきた若きアントニアからひ孫までのその村の年代誌。農村の話だけに耕すシーンもあるけれど、人が育っていき次の種を結び土に還って次のものを生み出すというような、大きな流れの中に人がいる感じ、女性監督らしいたくましさのある映画。 またまたおすぎさんの発言で、「人間の心理の中に隠れているもの、不思議な部分はファンタジーとして描き、人間が生まれて、生きて、死んでいく部分はきちっとリアルに描いている。」とあ…