西暦2100年、ネオ・トーキョー。 気候変動により、地上の大半は居住不可能な荒野となり、人々は巨大な環境ドームの中で暮らしている。 この時代、「緑」は贅沢品だった。 僕、カイ(28歳)が営む園芸店『テラ・グリーン』は、ドーム都市の地下街の片隅にある。 店内に並んでいるのは、発光するガラスケースに入った植物たちだ。 しかし、そのほとんどは「本物」ではない。 触れると指がすり抜ける精巧なホログラム映像や、遺伝子操作で葉が金属化したメンテナンスフリーの人工植物(サイバー・プランツ)ばかりだ。 「いらっしゃいませ。今日はホログラムの更新ですか?」 僕はカウンターで、AIアシスタントのピノ(球体型ドロー…