先月平凡社から発売された表題エッセイ集を読み終えましたので、簡単に感想を書きます。 本エッセイは初期、中期、後期と章立てされており、ウルフの1905年から1940年までの作品が収録されています。 ちなみに小説としては短編で「壁の染み」(部屋のわずかな壁の染みから緻密な情景描写、想起される物語などが綴られる)や私が大好きな「キュー植物園」(植物園の緻密極まる描写とそこを歩く人々の意識の流れが描かれる)は1910年代後半に、有名な「ダロウェイ夫人」は1925年、それから素晴らしい長編を残し、遺作「幕間」は1940年、自死したのが1941年、このあたりを押さえておくと感慨深いものがあります。 初期(…