喜劇役者・古川緑波さんの「ロッパ食談」には、氏が戦前戦後に食べてまわった様々な料理の話が詰め込まれています。私にしてみれば、食べたことも見たこともない料理の話なのですが、なぜか惹かれてしまうんです。 それ以上に、このエッセイを通してロッパさんの人生そのものが見えてくるのが面白いんです。 ロッパ食談 完全版 (河出文庫) 作者:古川緑波 河出書房新社 Amazon さて、自分史というと、年表のように人生を整理していくのが一般的かもしれません。でも、もっと自由に、ロッパさんのように「食」を軸に書き進めるのも素敵だと思いませんか? 初デートで訪れた喫茶店で飲んだクリームソーダ。その鮮やかな緑色に、緊…