黒海周辺の地図 第5章 ロシア帝国と黒海 チョールノエ・モーレ 1700〜1860年 イヴァン雷帝からピョートル大帝に至る2世紀の間、ロシアにとって、ステップという不安定な地域が国家政策に与えた重要性はいくら強調しても足りないほどである。ロシアは、この期間にモスクワ大公国から近代のロシア帝国へと移行していったが、まさにステップへの対処こそが国家の最も大きな課題であり続けた。なぜなら、ステップは2つの異なる社会が接触する場であったからである。 北に位置するモスクワ公国は都市型の軍人・官僚国家であり、またタタール=モンゴルのハンからかつて課せられていた徴税請負の遺産を利用して立国された。そして彼ら…