古い本ではあるが清水書院の本と同様に朝の通勤時間内にサラサラ読める。と言ってもそれはスタンダールの人生についての本を曲がりなりにも繰り返し何冊か読んだ上で、この本を読んでのことだから、スタンダールの生涯とその生きた時代に初めて触れる読者にとっては、もう少し腰を落ち着けて読むのをお勧めする。 清水書院の評伝とは違って、スタンダールの人生よりも、スタンダール自身の評価と作品の評価が、時代ごとにどう異なってきたのかについて語られて居て、受容状況の歴史的背景も知れて面白い。今もう手に入らないような本だけれど、図書館ではきっとまだ棚に並んでいると思うので、こうしたつなぎに当たる本を図書館は廃棄して欲しく…