モーツァルトは、27ものピアノ協奏曲を書いた一方、ヴァイオリン協奏曲はわずか5曲しか残していません。 そしてそれらは、207, 211, 216, 218, 219というケッヘル番号が示している通り、第1番のみが1773年に、残りは1775年に、一気呵成といった感じで書かれました。 つまり、この天才作曲家が少年から青年へと移行する時期に集中して生み出されたわけですが、それ以降、このジャンルの顧みられることはありませんでした。 不思議と言えば不思議です。 また、一連のヴァイオリン協奏曲の作曲動機も明らかでなく、故郷ザルツブルクの宮廷楽団に籍を置いていたヴァイオリン奏者アントニオ・ブルネッティのた…