ドナルドトランプ

ある記事を読んでいたら、こんなニュースがありました。「アメリカ大統領がFRB（中央銀行）の理事を解任しようとした。もしそうなれば市場はドル安になり、長期金利が下がる場面もあった」と。 それを見て、私は「え？長期金利って上がるんじゃないの？」と引っかかりました。 まず「金利」ってなに？💵 短期の金利＝ごく短いお金の貸し借りの利子。FRBが直接コントロールする「政策金利」がここ。 長期の金利＝10年国債など、将来の景気やインフレへの見通しが強く影響する利子。 短期と中期では、同じ「金利」でも動き方が違います。短期は「下がりそう」という予想そのものが行動につながって本当に下がりやすい。一方、中期や長…

きょうの日経平均株価は、一時600円を超えて下がった。日経平均というのは、日本の代表的な株式市場に上場している225社の株価の平均を数字にしたもの。この数字が上がると、多くの会社の株価が上がっていて、将来に期待が持たれているということ。逆に下がると、投資家が心配して株を売っている状態になる。 株価が下がると、会社は資金を集めにくくなり、新しい事業や設備投資を控えるようになる。その結果、雇用や給料の伸びが鈍ったり、商品の値段や種類に影響が出たりする。つまり株価の動きは、直接株を持っていなくても、私たちの生活やお財布に時間差で影響してくる。 ここ6日間で、この日経平均は合計で約3000円も上がり、…

アメリカの雇用統計が、2か月分で25万人以上も“下方修正”された。それを受けて、トランプ前大統領が統計局長の解任をSNSで訴えるなど、ちょっとした騒ぎになっている。 今回（2025年8月1日）に発表されたのは、7月分の雇用統計の速報値。でも実は市場が驚いたのは、そのとき一緒に発表された5月と6月分の雇用者数が、あわせて25.8万人も下方修正されたことだった。コロナ禍を除けば過去最大級の修正幅で、株安・ドル安・金利低下といった**「雇用統計ショック」**が起きた。 でも私が気になったのは、大騒ぎよりもむしろ、「どうしてこんなに雇用統計って大事にされるのか？」「どうしてあんなに早く出すのに、あとか…

最近の日経新聞に、「トランプ大統領が煽るエプスタイン陰謀論が、保守支持層に亀裂を生じさせている」という記事があった。それを読んで、改めてこの問題の根深さと、社会にとっての意味を考えさせられた。 【1】一人の死が、なぜここまでの火種になるのか 2019年、富豪ジェフリー・エプスタインが勾留中に“自殺”した。だがこの事件は、単なる性犯罪者の死として処理されなかった。むしろ、透明性の崩壊、そして社会的信頼の断絶という形で、静かに、しかし根深く現代社会の奥深くに火種を落とした。 彼は未成年女性に対する性的虐待、人身売買といった重大犯罪に関与したとされる。そして何よりも、彼の人脈リストには、私たちが“信…

2025年7月、アメリカと日本の間で、新しい関税交渉がまとまった。日本は5500億ドル（約85兆円）もの対米投資を約束し、トランプ大統領は「アメリカが90%の利益を得た」「史上最大の対日取引だ」と誇った。 でも、それが本当に「貿易赤字の解消」になるのだろうか？むしろ経済の構造から見れば、赤字はさらに拡大するかもしれない。 怒っているアメリカ。買っているアメリカ。勝ったふりをしているアメリカ──。 そんな記事を読みながら、私はふと思った。なぜ怒るのか、なぜ買うのか。なぜ“勝った”と見せたがるのか。 そんなことを考えていたら、いつのまにか、こんな話になっていた。 【1】怒るアメリカ：なぜ「貿易赤字…

7月4日、アメリカ独立記念日。 当日、トランプ政権の減税・歳出法案（通称「美しい法案」）が成立した。内容は、所得税の大幅減税と、低所得者向け給付の削減をセットにしたものだ。これにより「富める者」と「持たざる者」の格差はさらに広がるとされ、共和党内ですら賛否が割れた。 イーロン・マスクがこの法案に強い違和感を覚え、7月4日に自らのSNS「X」で立ち上げたのが「アメリカ党（The America Party）」だ。 この動きは「政党を作る」といった明言ではないが、彼が「X」で行った政策アンケート──減税か増税か、補助金は必要か、という問い──は、すでにひとつの「試み」だったともいえる。 アンケート…

またか、と思った。けれど、何かが違う気がした。7月4日、アメリカ独立記念日に合わせて、イーロン・マスクが「アメリカ党」を構想したというニュースを見たときの、最初の感覚だ。Xで「賛成か反対か」を問う彼の投稿は、ただのポーズにも見えるし、何かの序章にも見える。私はふと、マスクが“何を壊そうとしていて、何を生み出そうとしているのか”を考えたくなった。 1. 二大政党のどちらでもない場所から イーロン・マスクは、民主党にも共和党にも明確に肩入れしていない。共和党の陰謀論的傾向──科学や事実を無視した、感情と疑念の政治──にも強く反発している。たとえば： 2020年大統領選の結果に対して「不正選挙だ」と…