学生時代の友とは面白い。わずか四年とは言え同じ時間を共有した。当時の彼等の物の言い方も考え方も表情も声もすべて頭に入っているのだから、当時とはシームレスに会話が進むのだった。 あの頃は楽しかったわね。還暦を超えるなんて思ってなかったなぁ、そんな昔話が切り出しになるが、年齢相応に話題が変わっていく。病気自慢に始まる。そして将来の不安へ。もし一人になったとき、何かがあったら誰に発見されるのだろう。溶けていたら嫌だね。溶けるって?人間死んだら腐敗するでしょ、溶けるのよ。やだねと。 認知症になったらどうする?介護保険の枠ですむのかな?汚物を壁に塗りたくりたくないね。何があっても良いように認知症もカバー…